自律神経失調症を複雑化してしまう処置の仕方
そもそも自律神経失調症は複雑な病気です。
なので、あっさりと、以下のうちどちらかを選ぶことになります。
1.興奮性を抑える
2.うつ状態を調整する
3.痛みを取り除く
4.症状を感じなくさせる
5.数値を調整する
6.歪みを取り除く
7.自律神経を調整すると言われているツボに刺激を加える
8.カウンセリングを行う
でも、これらでは、治ることもあるけれど、確率的には非常に低い方法でもあります。
なぜならば、自律神経失調症の原因は多岐にわたっているからです。
【自律神経失調症を鍼灸や病院で診てもらうよりも確実に調整する方法】
では、一つ一つ見ていきましょう。
1.興奮性を抑える
自律神経失調症の中には、動悸やパニックなどの興奮状態になることがあります。
この場合、鎮静剤的な方法を取ることが多いと思います。
けれど、興奮性の症状だけを持っている人は意外と少なく、落ち込みやすかったり、便秘や冷えを感じている人もいたりします。
この場合に、鎮静剤を使ってしまえば、動悸は治まるかもしれないけれど冷えは強くなりそうですよね?
パニックは抑えられたとしてもうつ状態に陥ってしまうかもしれません。
そう考えると、自律神経失調症の治療で、一方通行的な処置は危険性が高いと言えるでしょう。
2.うつ状態を調整する
うつ状態も自律神経失調症の一症状になりますが、感情も運動機能も食欲も低下するのがうつ状態です。
けれど、一般的には、ほんの少しでも悩んだり落ち込んでいたりするとうつ病と考えてしまう人が多くなってきました。
そして、医師も治療家も同じように捉えることが多く、抗うつ剤を用いる人が多かったりするわけです。
抗うつ剤というのは、落ちている状態を持ち上げるという作用がありますので、これまで消えていた興奮性の症状が飛び出すことがあったりします。
よく、うつ病の自殺者が多いという話がありますが、うつ病の患者さんは自殺するような行動力がありません。
けれど、抗うつ剤を飲めばたちまち自殺願望を叶える行動に移ることができます。
当然ですが、落ち込んでいるときには、「私なんか死んでしまった方が良いんだ!!」という考えが出てしまいます。
でも、うつ病のままであれば、このような気持ちを持ち続けるだけでおさまります。
ところが、抗うつ剤を飲んで、その効果が出てしまうと恐ろしい状況になるわけです。
3.痛みを取り除く
現代医療における痛みの概念は、【炎症】と【神経】と捉えます。
しかし、中医学の概念から痛みを除くと【気血水の滞り】という重要な視点が持てるようになります。
よく、脳梗塞や心筋梗塞では非常に強い痛みに襲われると言われますが、この痛みは炎症でしょうか?
それとも、どこかの神経を圧迫した結果なのでしょうか?
違いますよね?
誰もが知っているように、血栓が詰まった結果の痛みです。
これが、気血水の滞りです。
気もしくは血液もしくは体液が滞った時の痛みです。
わからない場合には、一度アイシングをやってみていただくとわかりやすくなると思います。
冷えれば痛みが起こります。
これも炎症でも神経でもありません。
けれど、痛みを止める方法は、鎮痛剤か痛みを取る特攻穴に鍼灸を行う程度のことしか行わないのが現状です。
中には、筋肉の固さを取り除けばいいという人もいますが、筋肉が緩めば緩むほど痛みが強くなる場合もあります。
4.症状を感じなくさせる
症状自体は興奮性がなくても、症状を恐れて興奮してしまうことはよくあることです。
すると、病院では、その状態を落ち着かせるために精神安定剤を処方されることがよくあります。
本来は、症状を感じるのも、症状に恐れを感じるのも正常な反応です。
ところが、多くの健康情報から、症状を長く持ち続ける危険性を覚えてしまい、治すことに焦りを感じてしまいます。
その結果、安定剤がより強いものへと変わっていきます。
そうすると、どんどん感情も抑え込まれ、自分が自分でないような状態になっていきます。
これもまた一つの症状と考えたり薬の副作用と思い込む人がいます。
それを医師に訴えればより強い薬を処方され、どんどんがんじがらめの状態へと陥っていくわけです。
5.数値を調整する
例えば、血圧や血糖値が高くなれば、クスリで調整することが一般的ですよね。
高いのが悪いという認識をしているからです。
けれど、本当に高くなったらいけないのでしょうか?
もし、あなたが暴漢に襲われそうになったり津波が襲ってきたら猛ダッシュで逃げようとしないでしょうか?
これが、自律神経が行っている自動調整です。
血圧であれ血糖値であれ体温であれ、今の生活や環境に見合った数値になっているだけなのです。
あなたも考えたらわかります。
そもそも糖質は運動エネルギーです。
要するに、運動することで消費するための栄養素。
そして、私も好きな食べ物のほとんどが炭水化物になります。
そう、糖質が含まれている栄養素。
であれば、食べた分運動すれば血糖値は正常を保つことができます。
けれど、動かないでいれば、血液の中に、『いつでも動き出したら速やかに利用できるよう糖質が待機している』ことになります。
この状態が血糖値が高いということ。
要するに、動くか動かないかは本人次第だし、食べるかどうかも本人次第。
これを世間一般で【生活習慣病】と呼んでいます。
生活習慣を変えない限り治らないのが生活習慣病なのに、病院へ行くから、『一生薬を飲み続けなければならない』という状態になるわけです。
あくまでも、『あなたは決して生活習慣を変えない』という前提での処置になるわけです。
そして、クスリで数値だけをコントロールしていると、なぜ糖質が必要なのか?
糖質をどのように使えば良いのかを自律神経がわからなくなり、機能が乱れてしまうのです。
6.歪みを取り除く
整体やカイロプラクティックをしっかりと学ばれている人であれば問題ないのですが、自律神経失調症と聞くと気づける歪みを片っ端から矯正しようとする人がいます。
実は、この行為が自律神経失調症の原因になることが非常に多かったりします。
歪みには、矯正した方が良いものと、絶対に矯正しない方が良い歪みがあります。
ところが、しっかりした学校で学べていない人は、矯正の技術だけが身についているため、歪みの質を診断するすべがありません。
さらに、関節から音を鳴らすことで瞬間的に楽を得られることを知ってしまうと、自分自身でも、首や腰の骨をポキポキしたくなります。
その結果、自律神経を乱すだけでなく、鳴らしている場所の慢性的な痛みを作ったりしてしまうのです。
7.自律神経を調整すると言われているツボに刺激を加える
そもそも、ツボの意味を知らずにツボ刺激をしてしまう人が多すぎます。
ツボというのはあくまでも身体の問題を体表面に現わしてくれている反応点です。
なので、いつでもそこにツボがあるのではなく、ある特定の状態にそこに反応点が出やすい場所をツボと呼んでいるだけであって、誰もがそこにツボがあるわけではないのです。
けれど、学術的には、【〇〇に効果的なツボ】ということをうたっている影響でそう信じている治療家が多くなっているのです。
なので、ツボ治療を行えていることで適切な治療ができていると認識してしまっているのです。
あるツボに刺激を入れても、何も改善しないのであれば、違う反応のあるツボに刺激点を変える必要があるのに、そういう処置もせず、いつまでも反応のないツボに刺激を入れ続けることで、外傷的な問題がその刺激によって新たに生まれてしまうことがあったりするのです。
8.カウンセリングを行う
自律神経失調症の中には、感情から生まれるものもあるため、カウンセリングの技術は非常に重要な場面があります。
けれど、感情が原因となる自律神経は、本人的に理解しやすいものがきっかけとなり発症しているので、それほど問題を長引かせることはありません。
問題は、感情が原因でもない自律神経失調症を、カウンセリングで治そうとしている人です。
カウンセリングという治療を受けているからいずれ治ると判断してしまい、本当の原因に一切手を付けることなく、生活の中で症状を強化していることにも気づかずカウンセリングを受け続ける人がいたりします。
しかも、カウンセラーも、自分の技術に自信を持っていると、生活習慣の中に原因が含まれていることに気づくことができず、永遠と悩みを聞くだけのカウンセリングが続いてしまうのです。
そういう意味で、自律神経失調症の原因をしっかり理解しておく必要があるのです。
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。