ぎっくり腰が治らない原因
ぎっくり腰とは、『魔女の一撃』とも言われるほど、強烈な痛みに襲われる急性腰痛のことを言います。
しかし、ぎっくり腰という有名な名前とは裏腹に、はっきりとした原因や改善策が、あまり理解できていないような気がします。
そこで、ぎっくり腰の原因から予防法、改善策について説明していきます。
十数年前までは、数日痛みを我慢すれば治っていたぎっくり腰が、最近では、いつまでも治らないぎっくり腰が増えています。
なぜ、そのようなことが起きているのでしょうか?
どういうタイプのぎっくり腰は治りやすく、どういうタイプのぎっくり腰は治らない状態で苦しむようになってしまうのかについても、詳しく説明していきます。
また、温めていいぎっくり腰や、冷やさないとダメなぎっくり腰、時には救急車を呼ばなければならない状況に対しても理解しておくと何かと便利ですよね?
あなたがもしぎっくり腰になった時に、瞬間的に原因を把握し、自ら適切な処置ができるようになれば、いつまでも治らないような痛みにビクビクせずに済むようになります。
原因を理解できていないと、動かさなければならない時に安静にしたり、冷やさなければならない時にお風呂へゆっくりと浸かったりしてしまい、その結果、なかなか治らない状況に追い込んでしまったりしてしまうのです。
そうならないように、出来る限り、ぎっくり腰になってもあせらずに、自力で適切な対処を行えるようにしていきましょう。
1.ぎっくり腰で救急搬送1ヶ月の入院で得たものとは
これは、実際にあったお話です。
50代男性が仕事中に、急激なぎっくり腰を起こしてしまい、その場で動けなくなってしまい、救急搬送されたということです。
けれど、痛みが強く検査という検査を受けれないということから、
「少し症状が治まってから検査をしましょう。」
と、言われるがままに1ヶ月経過。
処置してもらえたことといえば、3食ご飯をいただけたと言うだけだったらしいです。
もちろん、1ヶ月間鎮痛剤漬け。
けれど、痛みは一向に引かなかったということです。
『1ヶ月も入院して、痛みが何も変わらないのであれば、これ以上入院してても意味が無い!!』
と、半ば切れた状態で退院してきて、キュアハウスへ来院されたのです。
確かに、痛みが強くじっとしていられないということは見てすぐに理解できましたが、特定の動きの時だけ激しく痛んでいるようでしたので、鍼をほんの少し行ったことで、一瞬の内に痛みは治まってしまいました。
60分の施術時間の中、始めの5分程度で、ほぼ痛みがなくなってしまったのです。
それは、患者さんもビックリですよね?
けれど、この手のぎっくり腰は、そんなに簡単なものではありません。
あなたも気をつけておかないと、痛みが引いたことで安心してしまい、治療をストップし悪化させてしまうかもしれません。
どのような痛みであっても、一見痛みが引いたからといって、安易に治ったと考えるのは危険です。
痛みがなくなったとしても痛みを発症するような状態がそのまま残っていれば、いつでも再発してしまうのが普通です。
そのため、痛みが引いたとしても、再発するような可能性のある場所もしっかりと整えておくことがもっとも重要なのです。
このタイプのぎっくり腰に関しては、この後じっくりご案内していきますが、西洋医学の病院で診れる範囲の腰痛と診れない腰痛があるということだけでも、ここでは覚えていただければと思います。
そして、なぜ、そのようなことが起こってしまうのかについても、じっくりご説明していきますので、この後もお読みいただけると幸いです。
2.ぎっくり腰とは
そもそも、ぎっくり腰とは、どのような腰痛のことを言っているのでしょうか?
かつては、『ぎっくら腰』や『ビックリ腰』なんて呼ぶこともあったようですが、今は、ぎっくり腰が共通用語として使われているようです。(地域によっては違いがあるかもしれません)
そして、ぎっくり腰には、時代背景とともに、大きく2つに分かれています。
更に細かく見ていくともっともっとパターンは多いのですが、この2つのぎっくり腰のタイプは比較しやすい点が多々ありますので、そこから入っていくことにしましょう。
3.2種類のぎっくり腰における大きな違いとは?
ぎっくり腰には以下の2種類があります。
3-1 腰の筋肉や関節に急激な動きをしたことで起きる炎症性のぎっくり腰
3-2 長時間同じ姿勢を続けて冷えたことで起こるぎっくり腰
具体的には以下のような状態で発症する急性腰痛になります。
3-1 腰の筋肉や関節に急激な動きをしたことで起きる炎症性のぎっくり腰
炎症性のぎっくり腰は、昔からよくあるタイプのぎっくり腰になります。
- その動きに耐えられる関節や筋肉ではなかった
- 筋肉が特定のパターンでしか動けない癖を持っていた
- 腰椎や骨盤に歪みがあり、動ける範囲が制限されていた
この様な状態で急激に腰を捻ったり動かしたりしたことで、腰の筋肉や関節を痛めてしまったということになるのです。
3-1-1 炎症性のぎっくり腰を予防するためには
炎症性のぎっくり腰を予防するには、以下の方法で回避することができるようになります。
- ラジオ体操の習慣を作り、前後左右どの方向にも動ける身体の状態をいつでも作り上げておく
- 左右非対称である姿勢を長時間続ける癖がある場合には、姿勢を変える頻度を増やすことと、その姿勢を終えたときに、身体全体のバランスをラジオ体操などでチェックしておく
- 何かの作業をしたときに、足腰で疲れを感じる場所があれば、筋力低下の可能性があり、日々そのような感覚が出ないように適切な筋力をつけておく
3-1-2 炎症性のぎっくり腰を改善する方法
いったん発症してしまったぎっくり腰に対しては、しっかりとアイシングを行い、早期に炎症を抑えるようにする。
大抵の場合、痛みが治まれば、治ったと思ってしまうものですが、これは、単なる一時的な反応でしかありません。
大事なことは、先ほど予防のところでお話ししたバランス異常を正すということです。
このようなぎっくり腰を発症したということは、
- 筋力不足
- 筋力が不必要な生活習慣
- 背骨や骨盤の歪み
- 歪みを作るような姿勢の癖
このようなことがあるはずですので、一つでも改善しておくことが再発の確率を低下させる方法になります。
3-2 長時間同じ姿勢を続けて冷えたことで起こるぎっくり腰
このタイプのぎっくり腰は、腰の筋肉や関節よりももっと重要な筋肉を考える必要があります。
特に長時間イスやソファに座っていたり、しゃがんでいたり中腰になっていたりすると、お腹側の筋肉が縮み、腰側の筋肉が伸ばされている状態になります。
基本的には、腰の機能として、前後屈(前に曲げたり後ろへそらしたり)というものがあります。
そして、日常、身体を前に倒すという姿勢を多く取ります。
けれど、身体を後ろに倒し続けるということは、あまり行いません。
昔の人はよく歩いていたので、歩くことで手も脚も、前にも後ろにも振ります。
その結果、身体の前後でのバランス異常というのが起きにくい身体の使い方を自然に行っていました。
ところが、現代社会では、家事というものを、ほぼ全自動で行うようになり、身体を大きく動かすことが少なくなってしまいました。
多くの仕事も、身体を動かすことなく、パソコンやタブレットに向かって、作業していれば完了できてしまう仕事が増えています。
交通網の整備により、乗り物に乗る機会が圧倒的に増えてしまい、歩くことも減っています。
子どもたちも、外を走り回ったり、公園で遊んだりすることよりも、ゲームをしたり、スマホをしていたりと、身体を使うことがなくなっているのです。
しかも、ベッドで寝る家庭が増えたことにより、自然と寝返りをうつチャンスさえなくなってしまっています。
あなたの生活環境の中で振り返ってみて、いかがでしょうか?
腰回りを十分に動かせている環境に身を置けているでしょうか?
この様な現代社会の象徴とも言える便利な環境により、あなたが普段使っている動作や姿勢で動かす筋肉しか動かせない身体になってしまっているのです。
その結果、下記のようなタイプのぎっくり腰が増えてきているのです。
- 仕事が一区切りしたことでコーヒーブレイクをとろうとした瞬間にギクッ
- 映画館で映画鑑賞が終了し席を立とうとした瞬間にぎくっ
- 長時間運転の後車から降りようとしたときにギクッ
- 自宅のソファでDVD鑑賞後、トイレに立とうとするとぎくっ
- 庭仕事が終了し荷物を片付けようと立ち上がった瞬間にギクッ
わかるでしょうか?
すべては、座っている状態から、立ちあがろうとしたときに発症したぎっくり腰なのです。
このパターンが、現代の象徴となる、数十年前まではほとんどなかったタイプのぎっくり腰と言えるのです。
そのため、多くの医療関係者や治療関係者にとって、わかりにくいタイプのぎっくり腰になっているわけです。
では、あなたが、このような治りにくい、または、いつまでも治らないぎっくり腰にならないようにするためには、どのような予防法があるのでしょうか?
3-2-1 冷えによるぎっくり腰を予防する方法
これまでの流れからあなたも理解できていると思いますが、長時間座り続けた結果筋肉や関節が固まってしまうのですから、
『長時間座らない』
ということが予防法と考えられますよね?
では、デスクワークの多いこの社会で、座らずに生活するって本当にできるのでしょうか?
そう、、、
現代社会において、座るということができない状態では、おそらくほとんどの人が生活しにくい状況になると思います。
ということであれば、『長時間座らない』ことができない場合には、『ぎっくり腰が治らないのも仕方ない』ということになってしまうわけです。
これでは、予防にはなりません。
ですので、他の方法で考える必要があるのです。
では、本当に予防法は、『座らない』という方法以外にあるのでしょうか?
もちろん、あります。
これまで通りあなたは、普通にイスなどに座っても大丈夫です。
それでいて、冷えによるぎっくり腰にならない方法で、予防していきましょう。
これができれば、今後一切、治らないぎっくり腰で悩むことがなくなります。
では、実際的には、どのようなことが、予防になるのかというと、
大腰筋の柔軟性
が重要になるのです。
現代社会のように、座ることが多く、歩くことが少ない場合には、必ずと言っていいほど付きまとうのが、腸腰筋の低下です。
ですので、あなたも腸腰筋の柔軟性が低下している可能性が大きいのです。
腸腰筋とは、大腰筋と腸骨筋という、背骨の前側から、骨盤や股関節につながってくる腰にとって重要な筋肉になります。
その腸腰筋の内、大腰筋という筋肉が、冷えによりなかなか治らないぎっくり腰の、大きな原因となっているのです。
実際問題、この大腰筋を痛めているぎっくり腰もありますし、大腰筋が動きにくい状態のときに、腰を動かしたことにより腰の筋肉を痛めてしまったというケースもあります。
どちらのケースであっても、ぎっくり腰のような症状を起こしてしまうのが、大腰筋絡みのぎっくり腰と言えるでしょう。
そして、現代医学によるぎっくり腰の治療の中で、最も治療成果の出にくい、いわゆる『なかなか治らないぎっくり腰』が、この大腰筋の柔軟性不足により発症しているぎっくり腰が原因になっているのです。
要するに、
長時間座り続けていたとしても、大腰筋の柔軟性を落とさずにいられれば、ぎっくり腰を起こさずに、しかもいつまでも治らないことで悩むこともなくなるのです。
3-2-2 大腰筋の柔軟性が治らないぎっくり腰から脱出する秘策
治らないぎっくり腰を、あなたがこれまで一度でも経験したことがある場合には、この方法を、ぜひ覚えておいてください。
そして、日々実践し続けてください。
その方法はたった二つです。
- 日課として行うストレッチに大腰筋を加える
- 長時間座り続けた後立ちあがる前の癖付け
この短い言葉だけでは伝わらないと思いますので、それぞれ細かく説明していきます。
- 日課として行うストレッチに大腰筋を加える
あなたは、日々ストレッチという運動を取り入れているでしょうか?
もし、取り入れていないのであれば、これからの現代社会において健康に生きて行く上で欠かしてはならない運動になりますので、ぜひ取り入れてみてください。
ストレッチの方法は、様々ありますが、最も重要なポイントだけをお伝えしておきます。
ストレッチは決して方法論ではいけないということを覚えておいてください。
正しい姿勢で行わなければ効果がないのでは?
と思われている人が多いのですが、そうではありません。
確かに抑えておいた方がいい姿勢のポイントなどはありますが、そういうことよりもむしろ、「どこをストレッチするのか?」ということの方が重要なのです。
もはや、この期に及んでいうことではないかもしれませんが、最も大事なストレッチポイントは、日常固めてしまっている筋肉です。
動かすことの少ない、縮めきっている筋肉を伸ばすことが重要なのです。
ここで重要なことをもう一度伝えておきます。
縮みきっている筋肉をストレッチするのであって、伸びきっている筋肉をストレッチしてはいけないのです。
再度こちらの画像をご覧ください。
3-2 長時間同じ姿勢を続けた後に起こる冷えから起こるぎっくり腰
このような姿勢をとり続けている人ほど、なぜか、下記のようなストレッチを必死に行っているものです。
あなたは大丈夫でしょうか?
要するに普段伸びきっている筋肉をさらに伸ばそうとしてしまうのです。
これでは、何のために運動しているかわかったもんじゃありません。
そんな運動は単なる時間の無駄ですし、さらに筋肉のバランス異常を増幅させていることになってしまいます。
そうならないようにする秘訣は、どの筋肉をいつも縮めているのかの自己観察が大事になるのです。
そして、大腰筋を縮める姿勢をすることが多くなっているという事実があります。
であれば、どのようなストレッチを日ごろ行っていようが、必ず、毎日大腰筋のストレッチは取り入れた方がいいということになるのです。
そこで、代表的な大腰筋のストレッチをご案内しておきます。
まず、はじめに誰もができる大腰筋ストレッチです。
このストレッチであれば、身体の硬さはそれほど気にせずに誰でも行えます。
続いてもう少し体が柔らかくなってきたら、こちらを取り入れるとさらに大腰筋の柔軟性が高まります。
最後に、できれば下記のような姿勢でしばらく維持できると、さらなるバランス改善が行えます。
このように、どのようなストレッチのパターンをあなたが持っているかはわかりませんが、
最低でも大腰筋のストレッチも取り入れるように癖付けていくと、現代社会特有のぎっくり腰にならずに済むようになります。
そして、治らないぎっくり腰で悩むこともなくなるでしょう。
2)長時間座り続けた後立ちあがる前の癖付け
続いて、普段、椅子などに座り続けた場合に、その都度癖付けておくことで、魔女の一撃とまで言われる強烈なぎっくり腰の激痛を体験せずに済むようになりますので、あなたも長時間座り続ける機会があれば、これだけは覚えておくといいでしょう。
それは、立ち上がる前に必ず下図のような姿勢をとることです。
どの筋肉でも共通なのですが、縮んでいる筋肉を急激に伸ばそうとすると、その縮んでいる筋肉が痛んでしまうことがあります。
また、縮んでいる筋肉がうまく伸びない場合だと、他の筋肉が過剰に力を使わなければ、腰を伸ばすことができなくなります。
その際に、過剰に使った筋肉が痛んでしまうことがよくあるのです。
これは、どちらもぎっくり腰になる危険性があるので、できる限り避けたいところです。
けれど、大抵の場合には、何の準備もしていないからこそ、痛めてしまうのです。
そこで、長時間座っているところから、立ちあがるタイミングで腰を痛めやすいパターンをお持ちのあなたは、できる限り、立ちあがる前に、上図のような姿勢を取り、しばらく深呼吸してから立ち上がるようにしてみてください。
椅子に座っている姿勢が、大腰筋を縮めている姿勢だからと言って、最大まで筋肉を縮めているわけではありません。
生活の中では、椅子に座る姿勢が最も大腰筋を縮めている状態かもしれませんが、大腰筋自体の伸び縮みの幅はもっと動ける幅は大きいものです。
そういう意味から、大腰筋を最大まで縮めてあげると、筋肉の緊張が和らぎます。
筋肉の緊張が少しでも和らぐと、その筋肉の柔軟性が少し向上します。
ほんの少しでも柔軟性が出てくると痛める危険性はかなり軽減されるものなのです。
4.ぎっくり腰を見極める4つの方法
過去に多かったぎっくり腰と、現代社会によって増えてきた新たなぎっくり腰のパターンについてお話してきましたが、実は、ぎっくり腰の一部のお話しかしてきていません。
ぎっくり腰が治らない原因には、もっともっと多くの問題が潜んでいたりします。
あなたも今後経験する可能性がないわけではありませんので、しっかりと理解しておくことをおすすめします。
あなた自身がぎっくり腰になっても、身近な人がぎっくり腰になったとしても、この見極め方ができるようになると、余計な不安を抱えずに済むようになります。
4-1 動かせば動かすほどひどくなるぎっくり腰
4-2 動かすときは痛みが強いが動いていると楽になるぎっくり腰
4-3 動いても動かなくても痛みはあるけれど睡眠は取れるぎっくり腰
4-4 動いても動かなくても痛みがあり一睡もできないぎっくり腰
他のパターンも有るのはありますが、治らないぎっくり腰でパターン的に多い4つに絞ってご案内しておきます。
4-1 動かせば動かすほどひどくなるぎっくり腰
このタイプのぎっくり腰では、お風呂に入ったり、アルコールを飲んだりしていると、いつまでも治らない状態に自ら追い込んでいきます。
なぜなら、炎症による痛みだからです。
炎症の痛みに関しては、外部から温めてはいけません。
もちろん、運動などで血流を高めても悪化します。
できれば痛みが落ち着くまでは、アイシングで炎症を抑える方法をおすすめします。
4-2 動かし始めは痛みが強いが動いていると楽になるぎっくり腰
このタイプのぎっくり腰は、動き出しに強烈な痛みが出るのですが、動き続けていると、意外なほど痛みがなくなってしまう状態になります。
これは、冷えによる痛みのパターンです。
大腰筋絡みのぎっくり腰として先述しましたが、冷えによる痛みは、他の筋肉でも痛みを生み出すことがありますので、十分注意が必要になります。。
要するに、
1)あまり動かしていない筋肉
2)筋力低下が著しい筋肉
3)いつも冷えている筋肉
4)関節を曲げ伸ばしさせていない筋肉
この様な筋肉の周辺には、必ずと行っていいほど血行障害が起きています。
その血行障害により冷えや痛みが発症するのです。
長時間同じ姿勢を続けたり、疲労が積み上がった時に、発症確率は高まります。
このタイプのぎっくり腰に関しては、痛みが出ている場所が特定できる状態であれば、その場所のみ冷湿布を貼ります。
続いて、どこの関節を動かすと痛みが出てしまうのかを観察していきます。
ここでチェックする関節は、痛みのある場所以外で探すのがコツです。
そして、痛みのない場所で固まっている筋肉や関節を見つけたら、そこには温めるための対策を取る必要があるのです。
温める場合には、温めるための湿布や軟膏を使っても良いのですが、出来る限り、動かす習慣をもたせるような工夫があると、再発せずに済むようになります。
体温というのは、筋肉が動くことで血液が大量に流れ、発熱するものです。
筋肉が動かなければ冷えを改善することはできません。
従って、固まって動かしていなかった筋肉を動かし、血流改善を行うことがぎっくり腰の予防でもあり改善法でもあるのです。
4-3 動いても動かなくても痛みはあるけれど睡眠は取れるぎっくり腰
このタイプのぎっくり腰は、まだ炎症性の痛みなのか冷えによる痛みなのか、判断できない状態にあります。
痛みの経験値にもよるのですが、経験値が高ければ高いほど、痛みの原因を探るのは容易になります。
痛みの経験が少なければ少ないほど、どちらのタイプの痛みかを理解するまでの期間が長引いてしまいます。
その結果、いつまでも適切な処置ができない場合が高くなります。
ですので、このタイプのぎっくり腰に関しては、出来る限り早めに、どちらのタイプなのかを専門家に診てもらうことがおすすめです。
あなたが、これまでの経験で痛みを数多く経験しているのであれば、それほど難しことではありませんが、痛みの経験が少ない場合には、西洋医学思考もありつつも、整体観や東洋医学の考え方も併せ持っている先生を探すことをおすすめします。
方法は、ただ一つ。
直接聞くことです。
「ぎっくり腰なんですけど、治すことは可能ですか?」
と聞いた時に、こういう答えは却下です。
「すぐに治せますよ!」
これは、明らかにぎっくり腰を舐めている証拠です。
確かに簡単に治そうな軽度の痛みであれば、診てもらっても構いませんが、その結果、悪化してもそれは自己責任になってしまいます。
そうではなく、
「ぎっくり腰と言っても原因はいくつもありますので、治るか治らないかは診てみないとわかりません。」
と、はっきり言えるところが安心感をもって受診できる先生といえます。
4-4 動いても動かなくても痛みがあり一睡もできないぎっくり腰
このタイプのぎっくり腰は、本当の原因を追求しなければ、治らないばかりか危険な状態になる可能性がありますので、最も注意が必要で、なおかつ緊急を要するタイプの痛みといえます。
しかも、吐き気や寒気、めまいなどを伴う場合には、早急な対応が必要になります。
もし、病院まで自力で行けるのであれば、病院へ。
自力で難しい場合には、救急車を呼びましょう。
なぜなら、良くても腰椎や骨盤を骨折もしくは靭帯を損傷している可能性があるからです。
コレはあくまでも良いケースの話です。
悪い状況であれば、病気が絡んでいる可能性があるのです。
命に関わる病気であれば、対応が遅れれば遅れるほど、命取りになります。
だから、一睡もできないほどの痛みは早急な対応が重要なのです。
このように、ぎっくり腰には、様々なパターンが有り、その原因によって対策方法も変わります。
簡単に、
『ぎっくり腰の対処法は、◯◯を行えば大丈夫』
ということはありえないということになります。
もちろん、受診先もそれぞれ違いますので、できるだけ痛みを分析して、適切な対策を取れるようにしていきましょう。
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。