疲れからくるめまいの7つの原因と誰でもできる対処法
「疲れ」が原因で「めまい」が起きることはご存知でしょうか?
この疲れからくるめまいは、
・『疲れからくるめまい』
・『めまいの影響で疲れてしまう』
の2つに分けられます。
これらは、いわゆる自律神経失調症に分類される症状になります。
また、自律神経失調症以外にもいくつか病気による症状である場合もあります。
その場合、耳鼻咽喉科で検査を受ければ、三半規管や耳石の問題などが明確となり、適切な対処をしてもらえるようになります。
一方、病院では、一向に改善されない疲れとめまいがあります。
この事を踏まえて、ここでは、耳鼻咽喉科や脳神経外科などで診てもらっても改善されない、検査を受けても原因が明確にならないような疲れとめまいの関係性と、対処法について、お話していこうと思います。
ちなみに、この関係性(症状)は、薬で対処できるものはほとんどないということを念頭に置いておいてください。
ケース1 仕事や子育ての疲れから起こるストレス性のめまい
仕事や子育てで多くの問題は、『思うように事が運ばない』ということではないでしょうか?
- 上司の要望通りにいかずいつも叱られてしまう
- 部下が思うように働いてくれない
- ようやく自分の時間が持てると思うと子供の用事が入りいつまで経っても自分のことができない
- 子供と外出しても自分の見たいものがゆっくり見れない
- 仕事や子育てで一日終わってしまい、プライベートな時間を持つことができない
このような状況で疲れ果てている人たちが増えています。
そして、疲れとともにめまいが起きることがあります。
これは、脳内でやるべきことがたくさんあり過ぎて整理できない状態を表します。
そのため、気持ち的には常に全速力で突っ走っている状態になり、いつでも疲れ果てている状態になるのです。
しかも、脳内情報が整理できないうえに焦りが強くなり、身体は疲れていることから、より作業ペースが鈍化してしまうのです。
この時に、やるべき情報をどんどん脳内に流すため神経伝達が走り回ります。
ところが、疲れがたまりすぎているため、行動するための機能は、『動きたくない』という情報が占拠することになります。
やるべき情報は『どんどん作業をこなさないと終わらない』
肉体的な情報は『少しでもいいから休ませて』
という相反する情報が、めまいという揺れ動く状態を作り上げているのです。
●ケース1の対処法
この疲れとめまいの関係を改善するうえで最も重要なことは、『疲労回復』です。
ですので、睡眠を最優先に取る必要があります。
ただし、注意しなければならないのは、このような疲れを回復させるためには、昼寝ではダメです。
夜暗い時間に十分な睡眠を取ることが重要になります。
ケース2 睡眠不足による疲れからくるめまい
睡眠不足であれば、疲れが溜まるのは理解できると思います。
けれど、寝ても寝ても疲れが取れないということもあります。
すると、昼間でも眠くなり昼寝をすることが多くなったり、休日に寝だめをしたりすることが増えてきます。
これは、睡眠障害の一つである熟眠障害という状態になります。
かといって睡眠薬や安定剤が適応になるのかというと違います。
熟睡をするためには自然治癒力を働かさなければなりません。
薬を飲むと自然治癒力が働きませんので、薬を飲まずに改善する必要があります。
また、睡眠不足の影響でついつい日中に横になったりしてしまうと、疲れが抜けないどころかめまいを感じてしまうことが多いものです。
これもまた自律神経の乱れから起こっていることになるのですが、身体というのは、日中は頭が上で足が下に位置する状態が普通の活動状態になります。
一方、夜間は、頭と足は横になっていることから心臓とほぼ同じ高さにあるのが普通です。
これが、自然治癒力が働く基本姿勢になるのですが、日中に足を動かし頭で考え、行動することで疲れを作り、夜間に横になって、頭も足も休憩している中で心臓の規則的な働きによって疲れがとれやすくなるのです。
その自然反応に反した行動が、休日の寝だめであったり昼寝であったりするわけです。
このような行動により頭の位置が、日中でも心臓と同じような高さになってしまったり、夜間に眠気が起きなくなり行動してしまったりすることから、身体の中の流れが乱れてしまうわけです。
その乱れを感じているのがめまいになります。
●ケース2の対処法
疲れが残ってしまうような睡眠の問題は、『睡眠時間の不規則性』が原因になっていることがほとんどです。
そして、熟眠障害の原因の多くは、『睡眠をとるための準備不足』であったりします。
『睡眠時間の不規則性』とは、日によって寝ている時間帯が違うというものです。
これは昼寝や寝だめの時間も含まれます。
この不規則になった睡眠時間を、【就寝時間】と【起床時間】を一定に保つということで睡眠時間を規則的に取ることが可能になるのです。
また、『睡眠をとるための準備不足』とは、睡眠をしっかりとるために副交感神経の活動を呼び覚ます必要があります。
その作業が睡眠の準備となります。
代表的なところでは、
- 部屋を暗くする
- 静かな環境を作る
- 筋肉の固さをほぐしリラックスしやすい状態を作る
- リラックスしやすいパジャマなどを着用する
- ゆっくり緊張がなくなるような深い呼吸を行う
このようなものを取り入れ、眠れるような状態を意識的に作り上げていくのが準備です。
疲れ果てているからと、このような作業を行わずに寝ると熟睡することができず疲れが残ったままになってしまいますので、毎晩必ず行うように習慣化することが重要になります。
ケース3 食事や食べ物により疲れがたまって起こるめまい
早食いの大食いは一見健康に見えますが、実は胃腸に負担をかける食べ方の筆頭になります。
従って、このような食事のとり方を続けていると、胃痛が起きやすく、そこから頭痛や吐き気などに進展していくことがあります。
また、腸に溜まった食材が宿便となり、常に腹部の重さや膨満感の原因を作ったりすることがあります。
さらには、砂糖や油などを多く摂取していると、血液がドロドロとなり疲れの原因を作ったりします。
そして、コーヒーなどのカフェイン系の飲み物や辛味や塩分のような血管を細くするような飲食をしてしまうと、細い血管内をどろどろの血液が流れることから、栄養の流通が滞る場所や決まったところに栄養過多を引き起こすような状態を作ってしまいます。
このようなバランス異常がめまいの原因となっている場合もあります。
また、食事制限により栄養不足となり、目や脳へ栄養供給が間に合わず、疲れがたまりめまいを起こすことがあります。
●ケース3の対処法
食べ疲れ、もしくは食事制限により疲れが溜まり、さらに食べ物の選定により、めまいの原因を作っている可能性がある場合には、五味五色を意識してみることをお勧めします。
五臓 : 肝臓 心臓 脾臓 肺 腎臓
五腑 : 胆のう 小腸 胃 大腸 膀胱
五味 : 酸味 苦味 甘味 辛味 塩味
五色 : 青(緑)赤 黄 白 黒
考え方として、内臓と食材や料理の味や色はつながっているということです。
ただし、勘違いしやすい人は、『肺が悪いから白や辛味が必要なんだ』と、単純に思ってしまうかもしれません。
ここでご紹介しているのは、バランスの話です。
一食の食事だけでもいいし
一日の食事でもいいし
一週間の食事内容でもいい
五味五色のバランスを保つように食事を意識してみましょう。
その結果、五臓六腑にくまなくバランスのいい栄養素が行き渡るようになります。
ケース4 更年期障害による疲れからくるめまい
女性の場合には、閉経前後の時期に起きやすく、男性の場合には、肉体的に老いを感じたタイミングで起きやすいのが更年期障害です。
そして、この更年期障害は、交感神経が高ぶりすぎた症状に苦しむことが多いわけです。
その中で、疲れを感じてめまいも感じる。
これは、副交感神経と交感神経の異常が複合した状態であり、本来の更年期障害とは少し違った出方をしているので、対処もしやすいものといえます。
どうしてかというと、女性にとっても男性にとっても、同じような現象により更年期障害と同じような症状を出す原因が、『下半身の筋力低下』にあるからです。
下半身の筋力低下があると疲れやすくなるのは理解できると思います。
そして、下半身の筋力低下が起きると、全身の血流バランスが崩れてしまい、上半身に集中してしまうことがあるのです。
すると、のぼせや吐き気、頭痛、動悸、胸やけ、めまいなどが起こる場合があるのです。
●ケース4の対処法
先に話しましたが、更年期障害の症状とほぼ同じ症状を発症する原因が下半身の筋力低下の場合があります。
筋力の問題ですので、閉経とは関係なく、10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代と、年齢問わず、下半身を使うことが少なかったり、下半身を使えない状況であったりすると、一過性であってもこのような症状が起きることがあります。
そこで、下半身の筋力をアップしていけば難なく症状改善ができてしまうものとして、比較的簡単に改善できてしまうのですが、病院で診てもらい、薬でコントロールしようとすれば筋トレすることはほぼありませんので、服用している間にもっと筋力が落ちていき、症状が悪化、さらには複雑化していくパターンとも言えます。
ケース5 自律神経の乱れによる疲労感とめまい
自律神経は
1)胃腸の取り扱い次第で
2)食事のとり方次第で
3)呼吸の仕方次第で
4)運動の仕方次第で
5)睡眠のとり方次第で
6)筋肉の管理方法次第で
7)感情の使い方次第で
8)背骨の状態次第で
乱れてしまい、自律神経失調症に陥ってしまうもの。
自律神経の内、交感神経を使いすぎればパニック障害、副交感神経を使いすぎればうつ病になってしまう神経としても有名です。
要するに、上記8つの項目の取り扱いの仕方が失敗すると、疲れが抜けなくなります。
なぜならば、自律神経は自然治癒力の中核を担っているものだからです。
そして、自律神経失調症の代表的な症状の中にめまいがあるのですから、疲れとめまいが同時に感じるものの中に自律神経があるのが普通だったりするのです。
●ケース5の対処法
自律神経の影響で起こる疲れやめまいに関しては、自律神経を乱している原因を探し出す必要があります。
原因が明確になっている場合には、その原因を改善すればいいのですが、その意味が理解できない場合には、まだ原因を明確化できていない証拠ですので、こちらからレポートを受け取り、あなた自身の原因を見つけ出してみてください。
ケース6 背骨の不安定感によるめまい
ここまで、疲れとめまいが絡むと自律神経失調症の症状と言ってもいいという流れで書いてきました。
その自律神経の出入り口が、背骨と背骨の間から。
要するに、背骨に何か問題があればそのまま自律神経の異常に直結することがあるのです。
その直結するような背骨の問題を引き起こす代表的な原因に以下のようなものがあります。
1)交通事故の経験がある
2)転倒・転落事故の経験がある
3)頭部やお尻、背骨に強い打撲を負ったことがある
4)ボキボキ整体の経験がある
5)自分自身で背骨をボキボキ鳴らす癖がある
6)背骨を支える筋力がない
このような経験があると、背骨に歪みがあったり、背骨が安定せず、常に動いてしまったりする場合があります。
背骨が歪んでいると、背骨周辺からその上部にかけての血流障害が起きやすく、その問題は頭部まで影響を受けたりします。
その結果、めまいを起こすことが多いのです。
背骨周辺の筋力が落ちれば頭の位置次第で背骨が揺れてしまい、その揺れがめまいという状態になったりもします。
特に、背骨周辺の筋力がない状態で、疲れがたまってしまえば、背骨を支える力が働かず、めまいを起こす可能性が高まってしまいます。
●ケース6の対処法
背骨に歪みがあっても、背骨を安定させるための筋力がなくても、たった一つの運動で、疲れもめまいも取り除くことが可能です。
その方法は、【片脚閉眼立ち】です。
片脚閉眼立ちとは、両眼を閉じ、片脚だけで立ち続ける運動になります。
もちろん、めまいがあるので、無理は禁物。
ただ、初めのうちは、グラグラしてすぐに足をつけたくなると思いますが、何度も何度も繰り返し行っているうちに、安定して経ち続けられるようになります。
立ち続けられるようになれば、疲労もめまいも取り除かれていることに気づくでしょう。
片脚閉眼立ちは、片脚3分から5分が目安になります。
通常の生活をしている場合には、3分を、スポーツを行っている人は5分を目安に行ってみましょう。
ケース7 筋バランスの影響による血流障害のめまい
体内を流れる血液は、心臓のポンプ作用から全身に送り出され、身体の隅々まで届いたら、今度は筋肉のポンプ作用で心臓へ戻っていきます。
従って、筋肉が伸び縮みすればするほど血流は良好になります。
また、筋肉が太ければ太いほど強力なポンプとなり、筋肉が細ければ、か弱いポンプになります。
そして、硬い筋肉であってり、あまり動かない筋肉は、血液を流さないどころか、血流を妨げる邪魔者になってしまうことがあります。
もちろん、筋肉は、それぞれ使い方も用途も力加減も違いますので、筋力バランスは乱れやすいものです。
そういう意味で、日々、ストレッチや柔軟体操で、筋肉の伸び縮みのバランスが整っているかどうかを、観察しておく必要があるのですが、その辺の教育がされていないことから多くの人ができない状態で育ってきています。
従って、筋力バランスが崩れ血流のバランスが崩れた結果疲れが抜けにくく、めまいを起こしやすい身体になっていたりするわけです。
●ケース7の対処法
筋バランスの常に保つために、おすすめの方法は、朝晩のラジオ体操と、先に挙げた片脚閉眼立ちです。
ラジオ体操では、どの動きが動きにくいのか?痛みが出るのか?ツッパリ感を感じるのか?
その様な筋肉や関節を見つけ出すことが重要になります。
そして、ラジオ体操で気を付けたいのがスピードです。
遅く行ってみたり、早く行ってみたりすることで、筋力バランスが崩れているところを見つけ出しやすくなります。
もちろん、見つけただけでは意味がありませんので、そのバランスの崩れた筋肉の強化が必要なのか柔軟性が必要なのかに応じて、運動をすることで、ラジオ体操を行ったときの違和感がなくなるまで行っていきましょう。
片脚閉眼立ちに関しては、下半身の筋バランスが整えばぐらつかずに安定して立ち続けることができますので、日課にしてバランスを整えていきましょう。
このような疲れとめまいというのは、あらゆるケースで連動して発症するものです。
そして、どれも病気とは言えない状態で起こります。
自律神経失調症という疾患名を出していますが、こちらは病気ではないのです。
原因が不明の症状が複合しているものの総称でしかありません。
そういう意味では、この記事で原因を明確化しているので、疲れとめまいの組み合わせに関しては、この記事内の対処法だけで十分効果を実感できるようになるでしょう。
病院でいかなる検査を受けても『原因不明』や『異常なし』と言われているめまいに関しては、このような原因の可能性が高いわけです。
医療的に考えると、回転性めまいや、浮動性めまい、視性めまい、立ちくらみなどいろいろ種類を上げて、病名を特定したりするのが一般的ですが、これまで上げたとおりの、血流障害によるバランス異常で脳が判断ミスすれば、どのようなめまいでも起こすことは当たり前の話なのです。
病名が付けば『治る』という幻想を多くの人が持っていますが、病名というのは後づけでつけるものです。
従って、診断される前に、
『何が原因でめまいが起きているのか?』
『なぜ疲れているのか?』
これらの診断が最も重要で、その原因がわかることが早期発見なのです。
そのためには、医療に頼り続けていると、原因が一生わからないままになってしまいます。
ですので、しっかりとご自身で原因発掘できるようになってしまいましょう。
何かのヒントになれば幸いです。
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。