ストレスによる内臓への影響で姿勢・呼吸・背骨に与えるものとは?
ストレスについては、基本的な考え方があってないようなものです。
医学博士と鍼灸師と整体師、心理学やカウンセリング、あらゆる分野でストレスの話が出てきます。
多くの場合、誰かが言い始めたことを真似していっていることが多く、実体験を通して確定してきたものがあまりないような気がします。
その中で、ストレスについて、しっかりとした見解を示している著者がいました。
今回は、健康本の人気著書である『1日5分!ストレスに強くなる整体法』の中で、語られているストレスに対して、私の見解と違っているところをご紹介します。
まず、
この井本先生がおっしゃっているのは、
心と体はいっしょ
この考えは、100%私も同じ。
しかし、面白いことに、ここからが全く違うんですよね!
1.ストレスによる影響を受けやすい3つの場所
ストレスによる影響を受けやすい場所を、井本先生は、
- 肺
- 背骨
- お腹
の3つがポイントと言っています。
これに反して、私は、
- 肝
- 心
- 胃
の3つを重要視しています。
一つもかぶっていないんですが、全て似通っているんですよね!
こう書くと、
「どこがどう似てるんだ?」
と、思うかもしれませんね!
そのため、少し説明を入れていきます。
1)ストレスを受けた時の横隔膜に注目
井本先生が言う肺に関してですが、ストレスを受けた時に、横隔膜の問題を上げています。
そして、肺の力が弱くなると、前かがみになるとも書いています。
実は、横隔膜と一番接している臓器が肝臓なんです。
ストレスを受けてイライラしているときは、肝臓が固くなります。
肝臓が固くなると、横隔膜も動けなくなるので、固くなります。
横隔膜が固まると、呼吸が浅くなります。
浅い呼吸が続くと、肺が弱くなります。
また、横隔膜が固まっているときは、お腹の筋肉を伸ばすことができなくなるので、当然、前かがみになります。
2)ストレスによる緊張状態が引き起こす現象
次に、背骨ですが、ストレスを受けると、背骨が一直線に固まってしまうと書いています。
これは、肺の状態(前かがみになる)と両極端なことを言っているようですが、私も、ストレスによって背骨が固くなるという理論を持っています。
けれど、原因は、やはり心か肝か胃。
緊張状態が続くと胃が緊張します。
刺激物を取りすぎると、胃と肝臓が荒れます。
肝が刺激され過ぎるとイライラ感が出てきます。
イライラも緊張も心拍数が上がります。(心臓の問題ですね!)
このように三つの臓器に影響があるときは、筋肉も緊張状態となります。
特に、心臓と肝臓と胃の状態がそのまま反映しやすい筋肉が肩甲骨の間から腰の少し上までの間にあります。
そのため、背骨の両側にある筋肉が緊張状態を作り、背骨を固めてしまうんですね!
ですので、私は背骨が直接ストレスで固まったのではなく、胃や肝臓、心臓の影響で固まっていると診ています。
3)お腹でストレス状態が診断できる
最後に、お腹。
井本先生は、ストレスがお腹に現れると書いています。
私もここは同感なのですが、筋肉がどうこうではなく、東洋医学では、お腹を広く胃と見ることがあるんです。
そして、胃というのは、口から肛門までの一連の流れも胃と見る学問なのですが、その流れの中には、胃も腸も含まれています。
胃は、交感神経。
腸は、副交感神経。
この二つの神経が、身体や内臓の機能を作り出しています。
また、ストレス状態は、交感神経優位。
リラックス状態が、副交感神経優位状態と言えるんですが、この二つの神経及び臓器の状態が、お腹に現れると、私は考えています。
従って、お腹の状態は、今の精神状態や内臓機能の状態を診断するポイントであり、当然ストレス状態も確認できるという考えです。
2.ストレスによる影響を治したい時の注意事項
少し、わかりにくかったかもしれませんが、心と体は一緒であるけど、ストレスによってさまざまな影響が出る。
そして、専門家であっても、見方はまるっきり違うということ。
当然のように、ストレスの治療方法は様々で、効果も様々だということがわかっていただけると思います。
それぞれの治療家が、それぞれに身体の診方や心のとらえ方に違いがあります。
大変なのは、患者さんですね!
自分に合った治療家を自力で探さなければならない、この国の現状。
何とか変えていきたいものですね!
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。