足首捻挫がなかなか治らない理由と後遺症を残さないコツ
足首の捻挫は、誰もが経験する怪我の代表格です。
意外かもしれませんが、突き指と同じぐらいの頻度で起きる可能性の高い怪我ともいえるのです。
でも、意外なほど、名前は知っているけれど、実態を知らない人が多く、本職である整形外科医も治療家も、
『知らない?』
『知っているけどやらない?』
『教えない?』
何が真実かはわかりませんが、足首の捻挫に対しての認識が、完全に誤っている常識があります。
ということから、ここでは、足首の捻挫とはどのようなものであるかについて、詳しくお話していきます。
その流れにより、
足首の捻挫が治る・治らないの違いがどういうものなのかを知ってほしいと思います。
まずは理解しなければ、あらゆる捻挫の後遺症を防ぐことができません。
というよりも、その症状が足首捻挫の後遺症なのかどうかさえ理解することができず、なかなか治らないという結果に憤りを感じることになります。
そういうことからも、
足首の捻挫が治るということは?
足首の捻挫が治らない理由は?
ということに特化したお話をしていきます。
1.そもそも足首の捻挫とはどういう怪我?
そもそも足首の捻挫とは、『足首の靭帯が伸びた状態』を表す言葉です。
靭帯とは、その関節が動きすぎて脱臼しないように保持するための組織となります。
従って、靭帯が伸びたという状態は、
1-1 足首を挫いてしまい足首が通常以上に動いてしまった時
1-2 長時間正座をして伸びた足首に体重をかけ続けた時
1-3 段差を踏み外し、思わぬ体重が足首に加わる時に、運悪く関節内に靭帯が侵入してしまった時
このような3つのケースで起きることがあります。
通常誰もが思うところは、足首を挫いた時に負傷するものと考えていると思います。
けれど、原理さえ理解できれば、これらすべてが捻挫であることが理解できると思います。
1-1 足首を挫いてしまい足首が通常以上に動いてしまった時
足首が挫く時というのは、
1)スポーツなどの運動中
2)道を歩いている時に何かにつまずく
3)どこかに足先をぶつけ足首をひねってしまう
このような3つのタイプがあります。
どれも、足首が大きく動いてしまう可能性があるものと言えます。
1-2 長時間正座をして伸びた足首に体重をかけ続けた時
足首の捻挫は、急に捻らないとならないと思う人が多いのですが、実は正座のような姿勢だけでも捻挫をする可能性は非常に高かったりします。
だからこそ、誰もが捻挫をする可能性があり、治りにくいともいえるわけです。
なぜ、正座で捻挫をするのかというと、正座というのは、足首を伸ばし続ける姿勢になります。
とはいっても、床がありますので、ある程度の柔軟性が足首にあれば、足首自体で見ていけば、靭帯が伸びすぎることありえないと考えられます。
ところが、正座というのは、足首が伸びている状態の上からお尻を乗せていきます。
そして、体重をかけていきます。
長時間、足首が伸びている状態で体重がかかり続ければ、血流障害が起こりやすいのは誰もがわかると思います。
だからこそ、正座をしていて足がしびれる現象というものが起きるわけです。
血流障害はすなわち栄養障害を招きます。
なぜなら、栄養は血液に乗って全身を巡るのですから、血液が流れにくければ栄養も行き届きにくいと言えるのです。
栄養の少ない組織は傷つきやすいものです。
しかも、靭帯が伸びている場所に体重が乗り、圧迫されているわけですので、栄養は届きにくいと言えるわけです。
その結果、靭帯が伸び傷ついてしまい、痛みが発症し足首の捻挫という状態になるのです。
1-3 段差を踏み外し、思わぬ体重が足首に加わる時に、運悪く関節内に靭帯が侵入してしまった時
段差を踏み外すと、何とか足を地面について倒れないように力みますよね。
だから力強く地面に足をついてしまいます。
その際に、足首にある細かい靭帯が、たまたま関節内に入り込んでしまう場合があります。
靭帯は伸び縮みするような組織ではないのですが、関節が完全に動かないように支えてしまうと運動機能が落ちてしまいます。
従って、足首が十分に動ける位の余裕を持った長さがあるわけです。
そのため、関節が伸びればそれ以上伸びないように支えますし、関節が縮めば、若干靭帯がたるむことになります。
そのたるんだ部分が運悪く、骨と骨の間に入り込んでしまうと、骨同士で靭帯を押しつぶすことになります。
しかも、押しつぶした瞬間が地面に足をついた瞬間ですので、踏み外し、地面に足がつくことで、体勢が整い、普通に立てるようになります。
けれど、その段階では、まだ足首の関節に体重が乗ったままですので、関節内に靭帯が残っています。
そのタイミングで、普通の立位姿勢を取ってしまうと、靭帯が伸びざる負えません。
骨に体重が乗り、靭帯を押しつぶしたままで、体勢だけ整えるわけですから、靭帯が潰れ、傷ついている状態で伸ばされてしまうという現象が起きます。
その結果、足首の捻挫が起きてしまうわけです。
2.足首の捻挫に対する処置
さて、足首の捻挫は、
1)足首に痛み
2)腫れや発赤
3)内出血や出血
4)足首の可動域制限
などが起こります。
そのため、王道の処置法として、RICE処置というものが行われます。
R(Rest):休息
I(Ising):冷却
C(Compression):圧迫
E(Elevation):挙上
要するに、捻挫をしたら、冷やしながら患部を圧迫し、心臓よりも高い位置で休息(安静)させる。
ということを行うわけです。
キュアハウスでは、もっと早期に安全に回復させるために、初期段階でお灸を確実に行うのですが、詳細は省きます。
3.足首の捻挫が治った目安とは?
足首捻挫の度合いによって、『湿布を貼る程度の人』から、『時間が経てば治ると思っている人』までさまざまです。
ところが重度捻挫になってしまうと、数か月にわたって、ギブス固定が必要だったり、しばらく松葉づえでの生活を余儀なくされることもあるのです。
それほど、靭帯を伸ばしたり傷付かせてしまうということは、重大事故と言えるものだったりします。
しかし、多くの場合、痛みや腫れが引いたら、治ったと思ってしまう人が多いのです。
もちろん、病院や接骨院、治療院などでも、痛みが引き、普通に歩けるようになれば治ったと言ってしまう人が多いわけです。
けれど、もう一度振り返ってみましょう。
捻挫とは、関節を支えるための靭帯が伸びた状態です。
痛みや腫れが治まったのは、単なる炎症が引いたという状態なだけなのです。
靭帯は伸びたまま。
そのため、痛みが引いた段階で、治療を終了してしまえば、関節を支える機能は、しっかりと整っていないわけですので、何もつまづくようなものがないところでさえも足をつまづいて倒れたり、捻挫を繰り返してしまうのです。
従って、捻挫が治った目安というのは、
痛みが取れたとか、腫れが治まった
とかではなく
関節を支えるべき伸びてしまった靭帯の役割を担える筋肉を育て、なおかつ通常の動きに違和感なく機能させることが可能な状態
ここまでたどり着いたことが、足首の捻挫が治ったと言える状態なわけです。
4.足首捻挫が再発するリスク
足首の捻挫を繰り返し再発してしまう人がいます。
しかも、同じパターンで。
これは足首の弱点を表しているわけですから、同じパターンになっても、捻挫を回避できる状態まで行って、晴れて完治と言える状態なわけです。
要するに、外傷を起こすようなスポーツを行うのであれば、どのような動きでも耐えられる足首を、鍛えていくことが必要です。
正座などの姿勢で捻挫をするのであれば、同じ姿勢を続けた後に、伸びていた靭帯や筋肉を、縮める方向に運動させてあげる癖付けが必要です。
段差を踏み外すようなケースは、どうやっても、回避できないこともあります。
従って、靭帯や筋肉がどのような状態になっているのかを判断しながら適切な処置をしていくことが重要になります。
5.足首の捻挫を治ると早合点することなく確実に治すために
一旦足首の捻挫をしてしまった以上、伸びた靭帯が二度と元通りの強度に戻ることはありません。
従って、靭帯相当の強度で関節をカバーできる筋肉を鍛えていかない限り、捻挫を再発してしまうサイクルを崩すことはできません。
痛みや腫れが引くと、『治った』と思ってしまい安心することも理解できますが、痛みのない状態でも足首を支えられない状態は維持したままなのです。
いつ崩れてもおかしくない状態なんです。
本来であれば、病院や治療院で、しっかりとリハビリまで行えばいいのですが、現場にいると大きな問題に直面します。
それは、患者さんが来なくなってしまうということです。
治療家「捻挫は痛みが取れてからが重要です。」
患者さん「わかりました。しっかり治していきたいと思います。」
と、痛いときはみんな口をそろえて言います。
ところが、痛みが取れ、そろそろ本格的なリハビリをスタートしようとすると、患者さんが来なくなってしまうのです。
そして、数か月か数年経って、
患者さん「また、やっちゃいました。」
と、再発した状態で現れてしまうものなのです。
あなたは、こういう無駄な繰り返しはしないでくださいね。
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。