立ち上がる時の腰痛の原因と改善法
腰痛には、さまざまな痛み方があります。
- 前に曲げると腰に痛みが出たり
- 振り返るときだけの腰痛だったり
- 座っていると段々と腰が痛くなる
などなど、たくさんある腰痛のパターンから、今回は、
【立ち上がる時の腰痛】
に焦点を当てて解説していこうと思います。
1.立ち上がる時の腰痛が弱点の治療業界
このような立ち上がる突起に特化した腰痛に関しては、ここ数年、最も多くの人が経験している腰痛と言えます。
そして、このタイプの腰痛は、今後スタンダードになってくるタイプの腰痛です。
また、整形外科を筆頭に、接骨院や鍼灸院、整体院などに通ってもなかなか治らないという大きな問題も抱えているタイプの腰痛です。
なぜならば、このタイプの腰痛は、教科書に載っていないからです。
教科書に載っていないということは、教わっていないということで、『治し方がわからない』ということになります。
もちろん、原因に関しては、考えたことすらない先生が多いのが、『立ち上がる時の腰痛』なのです。
さらに、治療家側から、この手の腰痛を抱えた患者さんの腰を見ても、なかなか治療ポイントが見えてこないという特徴があります。
なぜならば、腰痛は腰痛でも治療ポイントは腰にないからです。
問題は、これまでの定番通りの腰痛治療として、腰椎や骨盤の矯正をしてしまったり、腰周辺に鍼を刺してしまうと、腰痛が悪化するという事態が起こることが多い特徴もあるのです。
あらゆる治療技術を取り入れ腰の痛みを取り除こうと努力しても、
一向に腰痛は改善されない
のです。
このような結果から、腰痛治療の結果、痛みを強めてしまった場合もあるかもしれません。
ここでは、このような現代医学の盲点ともいえる『立ち上がる時の腰痛』にポイントを絞り原因と対処法に関してお話していきます。
2.立ち上がる時の腰痛の原因について
さて、なぜ、このような腰痛が起きるのでしょうか?
それは、原因が、腰は腰でも、身体の後ろ側にある筋肉ではなく、前側にある筋肉だからです。
このブログを読み続けている人であれば、すでに理解されているかもしれません。
けれど、ほとんどの人が知らない、腰痛の原因。
その原因となるものが
【大腰筋】
という筋肉なんです。
この大腰筋という筋肉は、身体を前に曲げたり、足を上にあげたりするための筋肉です。
従って、座っているときに、縮んでいる筋肉ということになります。
その縮んだ状態で、大腰筋の柔軟性がないと、急に立ち上がる時に、大腰筋が固っていて伸びない時があります。
特に、座っている時間が長ければ長いほど、この大腰筋が固まるリスクは高くなります。
なぜなら、伸び縮みしていない筋肉の周辺は血流障害を起こしやすいからです。
血流障害はすなわち疲労回復不足になってしまいます。
疲労がたまっていると急な動きに対応できなくなります。
しかし、椅子から立ち上がるときには、大抵、急に立ち上がるものです。
立ち上がるには、縮んだお腹側が伸びなければなりません。
その時には大腰筋がしっかりと伸びる必要があるのです。
けれど、大腰筋が固まっていたら?
そう、立ち上がる時に腰を伸ばそうとしても腰が伸ばせません。
そこで、お腹を伸ばすために必要以上に背筋を力ませることになります。
このための背筋力を常に鍛えていたら、難なく立ち上がることもできるでしょう。
でも、多くの場合、椅子から立ち上がるためのトレーニングなんて行う人はほぼいません。
お腹側の筋肉が固まっていれば固まっているほど、背筋力が必要になります。
背筋力がなければ、そこで筋肉に傷がつきます。
その傷が多くの場合腰の筋肉に起きることから腰痛が起こるわけです。
確かに、腰の筋肉に傷がついているので、この手の腰痛に腰の処置は必要です。
ところが、いくら腰の傷を修復したところで、一向にお腹側の固さ、大腰筋の柔軟性が高まることはありません。
寝ている間にはよくなった気がする。
けれど、立ち上がろうとすると、やはり腰痛は出てきてしまう。
大事なことは大腰筋をいかに緩めていくか。
3.立ち上がる時の腰痛を改善する方法
要するに、立ち上がる時の腰痛は、腰の処置だけでなく、お腹側、特に大腰筋の処置をしっかりと行わなければ解決することはできないのです。
重要な対策としては、単純に
1)腰の筋力アップ
2)お腹と股関節の柔軟性アップ
となります。
1)腰の筋力アップ
腰の筋力アップとなると背筋を行う人が多いのですが、注意が必要です。
このような背筋運動は絶対にやってはいけません。
これではスタートポジションが『腰が伸びきって立ち上がった状態』と同じ姿勢になっています。
立ち上がる時の腰痛は、このスタートポジションに持っていくまでの筋力がないわけですので、このやり方ではなく、
⇒
上記のように、前かがみの状態から、腰を伸ばしていき、腰が反らないような体勢までの筋力を鍛えるのです。
2)お腹と股関節の柔軟性アップ
一方、大腰筋の柔軟性がないことが腰痛の原因になっていますので、腰の筋力ばかり鍛えていても意味がありません。
そこで、お腹と股関節の柔軟性を高め、柔らかい大腰筋を手に入れる方法をご紹介します。
まずは、以下のような姿勢を取ります。
この時に後ろ足の前側から下腹部にかけて、少し伸びている感じを得ながら深呼吸を行います。
続いて、膝を伸ばして、伸びをしながら後ろ側に引いている足の延長線上である下腹部が伸びるようにストレッチします。
柔軟性がかなりある場合には、下記の方法で下腹部をストレッチします。
まとめて行いたい場合には、こちらのような形で行ってみてください。
あくまでも大腰筋が伸びているかどうかが重要で、この形があくまでも重要と言っているわけではありません。
そして、重要なことは、座り続けることが多い限り、このような運動習慣を持つことが必要です。
4.運動習慣がない間に座り続けた場合の対処法
背筋を鍛えることも大腰筋の運動をすることもなく、椅子やソファーに座り続けてしまった場合には、いきなり立ち上がらないようにしてください。
立ち上がる時に腰痛を引き起こしやすい身体には、以下2つの条件がそろっているものです。
1)大腰筋が縮んでいる
2)背筋が弱っている
この状態を改善するための運動習慣がないまま、座り続けていれば、立ち上がる時に腰痛が出るのはほぼ間違いありません。
そんなときには、一旦以下のポーズを取りましょう。
もちろん、このポーズは、地面にしゃがんでいた時間が長かった場合です。
イスやソファーに長く座っていた場合には、座ったままで構わないので、できる限り身体を丸め、お腹側を縮め、背中側を伸ばすような姿勢を取り、しばらく深呼吸をすると、腰痛が発症するリスクを抑えてくれます。
このような方法をいつも頭の中に入れながら作業を行うと安心して立ち上がることができるようになります。
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。