生理前後に目の奥が痛いことが多い人の原因がわかる
キュアハウス院長 中村幸生
生理の前後に、さまざまな症状があらわれ、苦しむことがあります。
今回は、その生理前後の問題の中から、目の奥が痛いという現象についてのご相談が来ています。
なので、この相談内容に関して解説していこうと思います。
まずは、こちらから。
━━━━━━ 頂いた相談内容 ━━━━━━
こんにちは。
「生理 目の奥 痛み」で検索してお邪魔しました。
私も目の奥の痛みと頭痛に悩まされています。
生理1日目から生理が終わってから4日間の計10日間ほど続きます。
産婦人科、眼科、整体、漢方…色々試したもののあまり親身になってもらえず、どれも効果を感じられず、やめてしまいました。
症状は目の奥と頭部に、全てのイライラとモヤモヤが集まったような感覚で、マッサージしても温めても気休め程度にしかなりません。
そのうち乗り物酔いした時のようなムカムカした感覚も加わり、生あくびが止まらなくなります。
改善する可能性はあるでしょうか?
少しでもあるなら是非一度見ていただきたいです。
━━━━━━ ここまで ━━━━━━
この度は、キュアハウスの悩み相談をご利用いただきありがとうございます。
1.キュアハウスからの謝罪
まず、始めに、申し訳ありませんでした。
我々治療家は、どのような患者さんであれ、頼って来られたわけですから、患者さん以上に必死に治す努力をする必要があります。
と、私は思っているのですが、そう思っていない治療関係者が多いということが、この相談内容から伺えます。
まあ、わかってはいたことですが、このような患者さんのご報告をいただくたびに、胸が痛みます。
そして、同じ同業者として、謝らずにはいられません。
さて、西洋医学(病院)と東洋医学(中医学)では、大きく違った概念がいくつもあります。
2.なぜ、病院でも東洋医学でも生理前後の目の奥の痛みを治すことができないのか?
生理であれば産婦人科、目の痛みであれば眼科、それでダメなら漢方やサプリメントを頼りにする人もいるでしょう。
もし、それでも思うように治してもらえない場合には、整体や鍼灸を選ぶ人もいると思います。
けれど、残念ながら、日本の学校(医学部・看護学校・鍼灸・整体など)に通っても、このような一見複雑に見える症状に対して対処できる先生は育ちません。
なぜなら、ベースが西洋医学の考え方を踏まえた上での理論を教わる事しかできないからです。
そして、西洋的な考え方が身に付いてしまうと、
1.生理の時に活用できるツボ
2.目の問題の特攻穴
3.痛みを取り除くツボ
などを考えてしまう癖がついてしまいます。
更に、患者さんがそのようなツボを望んで探しているという情報化社会の大きな問題もあったりします。
3.目の奥に痛みが起こる原理について
さて、今回の相談内容から、目の奥の痛みに関していうと、『目は肝臓の窓』というものがあります。
そして、肝臓は血液を貯蔵する臓器であり、目は血液を最も多く利用する器官でもあると言われています。
目の奥というのは、視神経が集まっているところであり、目で何かを見るときに最も血液が必要な場所とも言えます。
さらに、中医学では、『不通即痛』という考え方があり、流れているものが止まると即痛みを発する。
という西洋医学にはまったくない痛みの理論があります。
要するに、目の奥が痛いということは、視神経を助ける血液が足りなくなっていて痛みが起こっていると捉えられるわけです。
4.生理と目の痛みの関係性について
また、生理に関しては、子宮に大量に血液が集まり、一か月に1回、子宮内の大掃除を行うわけです。
ここでも、血液が絡んでいますよね。
目を使うことよりも女性にとっては生理の働きの方が重視される身体の構造になっています。
でなければ、妊娠した時に目を最優先された場合には、胎児への栄養が不足してしまい、流産や死産の可能性を高めてしまうのですから。
従って、普段から血液量が足りない人や、血液の流れが悪い人は、生理前後に、目の周辺症状や肝臓の症状が起きることが多々あるわけです。
特に、デスクワークが主流になった会社員にとっては、PCで目を酷使していて、なおかつスマホやタブレットを利用する頻度が高まっていますので、一昔前よりも血液の消耗が激しい状態と言えるでしょう。
そういうことからも、デスクワークで目を酷使する日課がある場合には、生理ごとに血液が足りなくなり目の問題が起こりやすくなってしまうのです。
さらに、運動不足となると、血液を増やす行動を取れていないため、生理前後では圧倒的に血液が足りなくなり、様々な問題を引き起こす大きな原因になってしまうのです。
5.知っておくと何かとお得な血液不足による症状について
血液が不足してくると肝臓の症状が起きやすくなります。
その代表例でこちらの症状になります。
1.目の痛みや充血、痙攣などの諸症状
2.イライラ感、逆切れ
3.口の中の苦み
4.こむら返り
5.だるさ
6.あちこちの痛み
7.刺激物摂取後の諸症状
8.冷え症
9.ホットフラッシュ
などなどがあります。
これらの症状と共に、肝臓の状態を改善し、血液の問題を整理すれば、目の奥の痛みが改善することが多かったりします。
東洋医学は、全ての症状を身体全体、生活全体から、原因を見つけ治療だけではなく、生活からも治していく医学です。
ですので、治療を受けるだけでなく、あなたの努力も必要になってくるのです。
6.生理前後と血液の関係について
生理前というのは、子宮に血液を集めなければならない時期。
なので、十分に血液量に余裕がなければ、子宮に血液を集中させることができません。
従って、血液不足の場合には、極力他の作業をしないようにしなければ生理の問題を発しやすい時期と言えます。
生理中は、すでに出血が始まっていますので、物理的に体内の血液量が減ってしまう時期になります。
生理後に関しては、生理終了とともに早急に回復を目指すため、血液の増産が必要になります。
しかし、血液を生み出す機能が低下していれば、増産することができず、生理後もしばらく体調が整わないということが起こってしまいます。
7.生理になると頭痛や吐き気のリスクも高まるデスクワーカーの実態
さて、ここまでくると、大分生理前後に目の奥が痛いという関係性が見えてきたと思います。
ここで、もう一つのキーポイントとして、
1.頭痛
2.ムカムカとした吐き気
3.生あくび
というものも訴えていますので、ついでにお答えしておくと、これはどれもデスクワークの方に多い現象と言えます。
どういうことかというと、生理前後は、血液が子宮に集中すべきタイミングというのは、もう十分理解されていると思いますが、一方では、仕事にも集中力を使わざる負えないのもデスクワーカーと言えます。
この場合、血液が十分に足りていれば、頭や目にも、手先にも、子宮にも十分血液を流すことができるでしょう。
けれど、血液量自体が少ない場合には、子宮が最優先となります。
従って、頭や目には血液が向かう余裕がなくなります。
ただし、脳内からの情報では、頭や目にも十分血液が必要という情報は、仕事中や目や頭を使わなければならない状況であれば、全身に伝わっています。
すると、ここでも中医学の考え方になりますが、【気】が単独行動を取らざる負えなくなるのです。
本来は気というのは、脳からの指示通り、血液をどこかへ運ぶ役目があります。
しかし、血液量自体が足りていなければ、気が余ってしまいます。
そのため、気だけが脳に帰っていかなければならなくなるのです。
それが、吐き気という症状であらわされるように、腸から胃へ、胃から食道へ、食道から口へ口から脳へと上へ上へ時だけが昇っていく感覚が嘔吐を起こす現象に近いため吐き気を感じているわけです。
さらに、頭部まで気が集まったところで、血液を運んでいないので、気だけが頭部で右往左往することになります。
いわゆる風船の中に空気をどんどん送り届けている状態ですね。
もちろん、風船であればパンパンになってその内割れます。
けれど、頭部が割れることはありません。
その代わり割れるような痛みが頭全体を襲うことになるわけです。
生あくびは、脳の中に栄養素(血液)が届かないわけですから、何とか血液を集めるための防衛本能としての作業を行っているのです。
8.相談者から新たな質問
上記のような内容を回答しましたら、、相談者から再度質問が来ました。
内容は、
━━━━━━ ここから ━━━━━━
ありがとうございます。
肝臓との関係を考えたことはありませんでした。
普段から首、肩、腰のコリや冷え性にも悩まされているので、おそらく血液に問題はあると思います。
食事などを気を付けてはいるものの、それらもなかなか治らず、小学生の頃からもう10年間もそのまま過ごしてしまっています。
自分の努力というのは、どのようなものがあるのでしょうか?
━━━━━━ ここまで ━━━━━━
ということで、ここからは、具体的な対策に入っていくことにします。
9.誰でもすぐにできる血液量チェック
生理にも目の奥の痛みにも、同じく血液が必要ということは、十分理解していただけたと思います。
そこで、血液量をあなたにも誰にでもすぐにチェックできる特別な場所をお伝えしたいと思います。
それが、こちら。
この赤丸で囲った場所には、大腿四頭筋の内側広筋という筋肉があります。
そして、この筋肉量が太ければ太いほど血気盛んという目安が立ちます。
一方生理の問題や貧血気味、過労気味の方の膝は、この筋肉の力がなくなり、時に凹んでいたりします。
生理や目の問題だけでなく、多くの問題把握ができる内側広筋、その膨らみの中心には、血海(けっかい)というツボがあります。
まさしく血の海という場所、筋肉の太さや大きさが、血の海の広さ深さを表している場所と言えるのです。
10.血海を鍛え血気盛んにする適切な方法
再度お話しますが、結果は大腿四頭筋の一部でもある内側広筋の中心です。
であれば、大腿四頭筋を鍛える方法がまず血液を増やす最も早く確実な方法と言えるでしょう。
その代表的な運動には、
1.スクワット
2.レッグエクステンション
3.レッグプレス
などがあります。
これらの正式な方法はここでは省きますが、忘れてはいけないのが、内側広筋を鍛えるということ。
なので、ちょっとした工夫が必要です。
それは、【内側広筋を意識して働かせること】。
意識することではありません。
動かすことでもありません。
意識して力が入るタイミングでバッチリ力が入っていること。
これなしに鍛えられることはありません。
11.増えた血液を生理や目の助けにする方法
内側広筋が大きく逞しくなったって生理や目の奥の痛みが改善されるわけではありません。
重要なことは、生理時に適切に子宮へ運ぶルートを作る事。
そして、目にも十分な血液を運ぶルートを確保する必要があります。
その障壁として
1.骨盤
2.お尻の筋肉
3.太ももの筋肉
4.お腹の筋肉
の柔らかさと柔軟性が子宮への助けとなり
1.胸の筋肉
2.背中の筋肉
3.首の筋肉
4.肩の筋肉
の柔らかさと柔軟性が目へのルートを開通させるコツだったりします。
多くの人は、筋肉を鍛えたら固くなったことで達成感を感じてしまいます。
けれど、血流側から見ていくと、固い筋肉ほど邪魔になるものはありません。
あくまでも普段は柔らかい筋肉であって、力を使う時だけ固くなる筋肉を作らないと使い物になりません。
固い筋肉は怪我しやすく治りにくく、柔らかい筋肉は怪我をしにくく治りやすいのが、長年臨床に携わっていると如実に違いを感じる事実であったりします。
12.生理も目も血液が必要ということは?
最後に、生理も目も血液が十分に必要ということは理解できたと思いますが、その中で、最も中心に据える必要があるのは【肝臓】です。
目は肝臓の窓。
肝臓は血液の貯蔵庫。
なので、肝臓を疲れさせず強く保つことが必要になります。
そこで、肝臓を強化するための方法を細かくまとめた記事がありますので、こちらも併せて参考にしていただければと思います。
【肝臓を強化する2つの重要ポイント】
この記事を書いている人
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。
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2019.12.02