整骨院と整体院の大きな6つの違いと将来の展望
医療業界には似たような名前や、同じような方法を取っているところが乱立しています。
そんな中で、最も混乱しやすいのが、『整骨院』と『整体院』ではないでしょうか?
中には、整形外科までごちゃ混ぜになっていて、
「昨日整体でレントゲンを取ってきました。」
「いつも整体で注射を打ってもらっています。」
などという人がいます。
まずは、整形外科はお医者さんがやっている、『病院』ですので、多くは間違わないと思うのですが、整骨院と整体院は、どちらかというと、病院ではないけれど、どちらも白衣を着ているということから、同じ分類で見てしまうことが多いようです。
そういうことから、整骨院と整体院の大きな6つの違いと、将来的な展望についてまとめてみたいと思います。
1.歪みに強いのは整体?整骨?
歪みの矯正が必要と考えるときに、選択肢として、整体院なのか?整骨院なのか?と悩むことがあると思います。
●整体とは、身体を整える方法
●整骨とは、骨を整える方法
という大きな違いがあります。
整体は背骨をボキボキするだけでなく、筋肉のバランスや心のバランスなども調整する方法を、一括りに整体と言っています。
従って、同じような『整体』という言葉を使っていたとしても、やってることはまるで違ったりします。
こういう話をしている私も整体のプロと自称しています。
「えっ!!キュアハウスって鍼灸院じゃなかったっけ?」
その通り、鍼灸院です。
身体をすべての面で整えるために、手技だけでは、限界を感じたため、鍼灸という道具を使って、どこにも無い整体を提供しています。
さて、整骨院はどうかというと、元々は、【ほねつぎ】という名称で言われていたもので、『骨折』『脱臼』を手技で矯正(整復)する専門家です。
手術することなく、骨をあるべき元の位置に戻す技術を持っているのが柔道整復師です。
柔道整復師は、『接骨院』『整骨院』という院名を使い分けている先生がいます。
大雑把に分けるとすると、
●接骨院は、ほねつぎを継承していることが多い
●整骨院は、ほねつぎよりも整体寄りの方が多い
このような感じで、厳密に差があるわけではありません。
2.治す技術が高いのは整骨院?整体院?
怪我や病気を治す技術に関しては、どちらということはありません。
保険が効くだけ危険性が低いというのが、国家資格を持っている柔道整復師がいる整骨院と言えるでしょう。
でも、治療技術というのは、資格があるから技術が高いとは言い切れません。
臨床に入ってからいかに学び、臨床場でどれだけ真剣に患者さんに向かい合っているかで、知識も技術にも差が出てしまいます。
3.治療時間の設定について
保険が適用される整骨院は、病院と同じように多くの患者さんを診ていかなければなりません。
なぜなら、保険が適用となるため、日々の売り上げは、数百円から1000円台ぐらいでしか、1人の患者さんから得られません。
片や、自費診療の整体院は、それぞれの院で1回につき数千円から数万円の支払いがあったりします。
保険から降りるのは、数か月後です。
私が整骨院で勤めていた時代は、今日受診された患者さんの保険は、半年後に初めて振り込まれるような時差がありました。
整体院は、その日の売り上げがそのまま現金で得られます。
中にはクレジットカードを利用できるところもありますが、それでも1か月以内には振り込まれるという大きな違いがあります。
4.整骨院や整体院の資格について
整骨院は、柔道整復師という国家資格を所得した先生がいるところです。
いるところというぼかし方をしているのは、整骨院の院長や経営者のみが柔道整復師で他のスタッフは全員アルバイトで、完全ど素人ということもよくあることです。
また、鍼灸師やあんまマッサージ指圧師のような他の国家資格を所得している先生も常駐している整骨院も多く存在しています。
一方、整体院は、国家資格ではないのかというと、残念ながら国家資格はありません。
専門学校は数多くありますが、必ずしも専門学校を卒業しなければならないという縛りもありません。
今この記事を読まれているあなたが、もし医学知識を一切持っていないとしても、明日には開業できてしまうのが整体院なのです。
5.保険が効くのは整骨院?整体院?
健康保険や医療保険、労災や交通事故の対応には、整骨院が担当しています。
ですので、保険証を提示するのは整骨院で、整体院では保険証は不要です。
また、医療費控除などのための領収書を発行できるのも、整骨院の方で、整体院では、医療費控除の対象外になることが多いです。
例外として、国家資格を所得した先生が整体院を開業している場合もあります。
私も過去に医師が開業した整体院で働いていた時期がありました。
このようなところでは、一部保険が効いたりするので、非常に複雑なんです。
6.広告制限にも大きな違いが
多くの人が、何となく『整体の方が治りそう』と信じています。
『ボキボキは嫌いだから整体には行きたくない』
ということを言う人もいますが、
『ボキボキやらないと治らない。けれど、ボキボキはしたくない。』
と思っている人が意外と多かったりします。
なぜ、このようなことが起こっているのでしょうか?
それは、広告制限というものがあるからです。
整体院は、国家資格ではありません。
そのため、広告で記載してはいけない項目の制限がありません。
片や、整骨院は、国家資格所得者ですので、法律的に、広告の制限が設けられています。
整体院では、『〇〇を治す』ということがうたわれていたりします。
整骨院では、『骨折、脱臼、捻挫』という怪我の名称はできますが、その治療費にいくらかかるかというのを、看板やチラシに書いてはいけないわけです。
整体院では、この縛りがありませんので、料金体系も普通に公開できます。
得意の症状名も堂々と公開できます。
だから、整体院の方が治りそうというイメージがついてしまうのです。
かといって、事実、整体院の方が治す技術が高い場合もままあるので、患者さんは困るわけです。
7.生き残り合戦による融合
先にもお話ししましたが、整骨院は保険適応のため、たくさんの患者さんを見る必要があります。
そのため、1人の患者さんに割ける時間が極めて短いのです。
そういうことから、長い時間見てくれる整体院の方が治りそうと思う人が出てきてしまうのです。
しかも、広告の制限もあることから、そう感じてしまうのは仕方のないことです。
となると、整骨院は整体院への患者さん流出を食い止める必要が出てきます。
そこで、生まれたのが、治療業界の融合です。
最近の流行は、整骨院(ちなみに接骨院も柔道整復師が行っています)に、鍼灸師、あんまマッサージ指圧師、整体師、カイロプラクターなど、あらゆる治療技術を提供できる鍼灸整骨院が増えてきています。
そして、整骨院内で、自費診療枠を使って、各種治療法を提供できるようになってきています。
もちろん、保険内で各種療法を用いているところもあります。
要するに、どこが何をやっているのかがわからない世界と言えます。
こんなことを書いているキュアハウスの院長は、あらゆる治療業界を行き来していましたし、あらゆる治療技術と知識を融合して、臨床に取り入れています。
何がすごいという理論はありません。
>>プロフィール詳細
すべてよく、すべてに欠点があります。
その中で、
『今この時に、この患者さんの症状には何が適切なのか?』
この選択眼が必要になっていると強く思っています。
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。