背中の痛みの原因となる5つのストレスと3つの対策
背中の痛みは、整形外科で様々な検査を受けても『原因不明』になることが多く、なかなか治らない痛みと言えます。
そんな背中の痛みは、様々な原因が潜んでいるから、なかなか検査でも原因発掘できず、治らないことが多いのです。
ということで、ここでは、『ストレス』に原因を絞って、背中の痛みがどのように表れているのかについてお話していきます。
そもそも、ストレスと言っても、ザクッとしすぎていて、具体的に何をもってストレスなのかが理解できていないと、興味を持てない人もいると思います。
そこで、私的には、
ストレスはあらゆる刺激の事
と、定義しています。
従って、精神的なことだけがストレスではないということを前提に読み進めていただければわかりやすいかなと思います。
1.ストレスが原因となる背中の痛み5つのケース
ここでは、背中の痛みの原因となるストレスについてお話しさせていただきます。
ストレスには、数えきれないほどの種類がありますので、すべての説明は書ききれません。
そこで、背中の痛みの原因となる代表的なストレスを5つ取り上げたいと思います。
どのようなストレスかというと、以下の5つになります。
1-1 緊張感と集中(没頭)によるストレス
1-2 正しい姿勢というストレス
1-3 早食い・大食いという食のストレス
1-4 コーヒーによるストレス
1-5 運動不足というストレス
これだけだと、わかりそうでわからないと思いますので、詳細を上げておきます。
1-1 緊張感と集中(没頭)によるストレス
緊張やプレッシャー、そして、何かの作業に集中していたり没頭している時に、良くやってしまうのが浅呼吸(浅い呼吸)です。
これは、呼吸の仕方により、興奮状態を演出していることになってしまうのです。
別に興奮しているわけではないのに、興奮してしまっているので、次のような状態を作ってしまうのです。
- 呼吸が浅くなっていることから胸郭(肋骨で囲われている範囲)の固さを作ってしまう
- 肩や背中に力が入ったまま作業してしまう
- 歯を食いしばって頑張っている状態で作業してしまう
- 呼吸が浅いと心拍数も連動して回数が増えてしまう
- 上半身に力が入ってしまい不眠症になりやすくなる
- 緊張や集中という状況は筋肉や血管を細くすることで可能になります
- 血管が細くなることで血流が悪くなるため血圧や心拍数が上がってしまう
緊張やプレッシャーというストレスには、このような力があります。
そして、多くは、呼吸や心拍に作用することが、上記からもわかると思います。
その結果、肺や心臓のツボに異常が出やすくなるのです。
そこで、肺や心臓の状態がすぐ反映される場所として、肩甲骨と肩甲骨の間に痛みが現れるのです。
大抵の場合、肩甲骨と肩甲骨の間にある、脊柱起立筋が、縦に緊張した筋張った緊張状態になります。
緊張している筋肉は、こむら返りのような痙攣状態にならない限り、血液を流すことはできません。
そういうことから、背中の血行不良が起こり痛みが現れるようになるのです。
もちろん、緊張しすぎた筋肉が長期間同じ状況であれば、いずれ傷ついてしまいますので、これも痛みの元になるのです。
1-2 正しい姿勢というストレス
デスクワークでも勉強でも、姿勢を気にしながら進めている人がいます。
正しい姿勢でやらなければ『身体に悪い』『歪んでしまう』という都市伝説により、自らストレスで固めるような姿勢を取ろうとしてしまうのです。
当然ですが、
【正しい姿勢を取らなけれなならない】
という状態ということは、正しい姿勢を作り上げる筋力や筋持久力がないということになります。
ですから、正しい姿勢を作るための筋トレをしていかなければ、正しい姿勢など保てるわけないのです。
なのに、姿勢という単語だけを知ってしまう人たちは、『正しい姿勢という形が重要なんだ』と信じてしまうのです。
従って、ここにストレスという筋緊張が加わってくるわけです。
- 頭が前に突っ込まないように
- 背中が丸まらないように
- 肩が前に行かないように
- 背筋(せすじ)が一直線に伸びるように
- 脚を組まないように
- 机にもたれないように
このような姿勢にならないように、意識で体勢を作るために筋緊張を生み続ける必要が出てくるのです。
こんな状況で仕事や勉強に集中できるはずがないのですが、正しい姿勢の方が大事と教わってきていると、信じてやり続けるしかないわけです。
では、正しい姿勢とはどのようなものかというと、
【どこにも力が入らずにある姿勢を保っている状態】
要するに、正しい姿勢を保とうと意識すれば意識するほど、正しい姿勢から遠ざかり、無駄に筋緊張を作ってしまうのです。
そして、この緊張状態が背中の痛みの原因になってしまうのですから皮肉なものです。
また、どのような医療機関で高度医療の検査を受けても原因解明に至らない理由なわけです。
1-3 早食い・大食いという食のストレス
胃腸というのは、背骨にぶら下がっている袋状、筒状の臓器です。
要するに、空っぽであれば軽く、中にたくさん詰まっていれば重くなる臓器という特徴があります。
ですので、早食いという癖を持っていれば、一度に胃に入ってくる食料が多くなるので、一気に胃が重くなるわわです。
胃が重くなればなるほど背骨を下に引っ張る力が作られてしまいます。
これは、買い物袋にいっぱい詰めればわかることですよね?
重い買い物袋を持っていると下に引っ張られているような状況になります。
この時に、お腹を丸めて、しっかりと消化活動が進むまでじっとしていれば、何も問題は起きません。
けれど、現代社会は時間との戦いです。
だからこそ、早く食べて次の作業をしなければならないという焦りがあるわけです。
胃にまだまだ重しが加わっている状態で動かざる負えないわけですから、胃を持ち上げなければ体を支えられません。
このように胃を持ち上げる、背骨を立たせる役割が背中の筋肉になります。
大食いも同じことで、大食いの場合には、早食い以上に、胃だけでなく腸にも重しを加えてしまう可能性が高いので、背骨はもっと力強く立たせる必要があります。
そのため、背筋力をいつも鍛えておく必要があるのです。
ところが、早食いや大食いの影響を受け止めるために背筋を鍛える人はいません。
身体を鍛えていながら早食いや大食いなのであれば、それほど問題は出ないでしょう。
問題は、過去に身体を鍛えていて、今は鍛えていない。
けれど、食事量や食べ方の癖は前のまま。
という場合であれば、筋力は落ちて、重しは変わらないので、どこかで筋力では支えきれなくなります。
その結果、支えられなくなったころに、背中の痛みが出始めるわけです。
しかも食後に痛みが出ることが多いので、原因発掘はしやすいのですが、胃腸や肝臓の問題を気にして、病院で内臓の検査ばかりしていれば、いつまで経っても『異常なし』『原因不明』と言われ続けてしまうのです。
1-4 コーヒーによるストレス
コーヒーによるストレスというよりも、身体にとってストレスになる飲食をすると、すべてこのパターンの背中の痛みで苦しむことになります。
身体にとってストレスになる飲食とはどのようなものかというと、
- コーヒー(カフェイン入り飲料)
- アルコール
- 揚げ物
- 薬
- サプリメント
- スナック菓子
- 食品添加物
- 激辛
などがあります。
このような飲食が続いたり、突然大量に取り入れたりすると、胃が荒れてしまいます。
胃が荒れた場合、後々修復されるわけですが、修復後の胃の壁は、少し厚みが増した状態で修復されるのです。
それは、紙を1枚切って、お互いをのり付けしたり、セロハンテープで貼ってみるとわかると思います。
厚くなりますよね?
どんなにきれいに修復しても厚くなってしまうのが自然です。
しかも胃の荒れの修復は誰の手も加わりません。
そう、自然に任せるしかないのです。
従って、どのように修復されていくかは予想すらできないのです。
そして、また飲食するので
荒れる⇒修復⇒厚くなる⇒食べる⇒荒れる⇒飲む⇒荒れる⇒修復
厚くなるのです。
厚くなればなるほど、必然的に重くなります。
ずっと重い胃が背骨にぶら下がっていれば、持続的に背骨を支える筋肉が緊張し続けなければなりません。
その結果、背中にストレスを受け続けることになりますので、痛みが出てしまうのは仕方ないのです。
しかも、これをチェックするためには、胃カメラをするぐらいしか方法がありません。
そして、修復後の胃をカメラでのぞいても、「きれいなもんですね。」で終了です。
荒れている場合には「荒れていますね。」で胃薬を出されて終了です。
背中の痛みに関しては、完全無視になります。
だから、原因不明のままになってしまい、中には、【癌】を疑い始める人が出てきます。
そして、癌の検査を受けまくるようになります。
けれど、異常は出ません。
出なければ出ないほど、疑いは強くなります。
なぜなら、『癌を本人に告知する先生は少ない』と信じているからです。
【隠されている】と、勘ぐってしまうのです。
その結果、【癌】を見つけてくれる先生が現れるまで探し求めることになるのですが、残念ながら、これが、
【癌になるための定番の行動】になっていたりするので、くれぐれも検査地獄に陥らないようにしてくださいね。
1-5 運動不足というストレス
運動不足もストレスになる場合があります。
これは、過去に運動経験がある人に陥りやすいパターンになります。
運動している間は、筋肉を動かすと血液が流れ、新陳代謝が高まります。
だから、いつでも筋肉の疲労と新鮮な栄養素を交換できるので、調子がいいわけです。
そして、筋肉は、動けば栄養が回ってくるという記憶が定着していきます。
ところが、社会人になったり、結婚を決起に、運動を止めてしまうと、急に筋肉が動かなくなります。
筋肉が動かなければ血液の流れも悪くなります。
従って、新陳代謝ができなくなるわけです。
その結果、疲労物質や老廃物を取り除けなくなり、つらさを感じ始めるようになるのです。
これもまた背中の痛みを作る大きな原因となります。
もちろん、これは背中の筋肉に限った話ではありません。
どこの筋肉が真っ先に運動不足を感じるかで痛みの出る場所は、違ってきます。
デスクワークや勉強をしている場合には、一応、縮めている筋肉は使っていることになります。
そういうことからは、
- 足首の前側
- 膝の裏側
- 股関節の前側
- 腹部
- 胸
- 腕の前側
- 肘から先
このような筋肉は一応動いていますので、血液は少なくとも流れます。
一方では、上記に挙げていない場所にある筋肉は、いつでも血行障害から痛みを引き出す秒読み段階にあると言えるのです。
2.背中の痛みの原因となるストレス対策
ストレス対策には、大きく分けて以下の3つになります。
2-1 胃に負担をかけない食習慣
2-2 背中の筋肉をいつでも動かせるように深呼吸
2-3 運動不足を予防する運動習慣
どのような背中の痛みでも、この3つは確実に行っておいた方がいい対策となります。
2-1 胃に負担をかけない食習慣
背中の痛みの原因となりやすい胃の問題の筆頭は飲食です。
飲食で注意すべきことは、以下の5つです。
1)必ず食前までに空腹にしておく(空腹でもないときに無理して食べない)
2)空腹感がなくなった時点で食事を終了にする(食べ過ぎ予防)
3)よく噛んで食べるようにする(早食い防止)
4)水分で食料を流し込まない(胃に負担をかけない)
5)熱すぎるもの、冷たすぎるものは控える(胃に負担をかけない)
このような食習慣を作ることで、背中の痛みを予防、改善するようにしていきましょう。
2-2 背中の筋肉をいつでも動かせる深呼吸
背中の筋肉が運動不足になるような習慣がある場合には、必ず身に付けなければならないことが深呼吸です。
深呼吸は、胸郭という肋骨で囲われている部分が全体的に運動できる唯一の方法です。
だからこそ、深呼吸が重要なのです。
しかも、『背中に痛みが出る前に何をやっていたのか?』が重要です。
背中の痛みにはパターンがあることが多く、
- 仕事が終わると背中が痛いことに気づく
- 起床時に背中が痛く動き出すのが怖い
- 食後に背中が痛くなることが多い
- 誰かと話した後に背中が痛む
- プレゼンが決まると背中が痛い
などなど、固有のパターンを持っているものです。
ということから、上記の背中が痛くなる要素の時に深呼吸をする癖を待つようになると、予防が可能になるのです。
いくら痛みが取れたとしても、原因がそのままであれば、何度でも再発してしまうのは、ここまでの流れでも十分理解できていると思いますので、しっかりと予防対策をできるようになっておきましょう。
2-3 運動不足を予防する運動習慣
大人になればなるほど、運動不足になるものです。
例え、マラソンやテニスをしていても同じこと。
動きやすい動きだけをやるのが大人の悪い癖です。
苦手な動きはやらないことにしている人が多いのです。
一方では、苦手な動きをするために機能する筋肉は常に運動不足になっているわけですから、苦手な動き、やったことない運動を行うことが背中の痛みの大きな予防策となるのです。
とはいえ、張り切ってやり過ぎてしまえば、これまで運動不足だったわけですから、必ず筋肉痛になります。
背中の痛みを治すために、予防するために始めた運動なのに、その運動で背中を痛めてしまえば、意味がありません。
ですので、この場合の運動は最低限からスタートしていきましょう。
- 最軽量
- 最少回数
- 最少時間
で行い、翌日に痛みが出ていなければ少しずつ増やしていくような感じで、進めていけば安全に背中の痛みの予防ができるようになります。
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。