子供の風邪をもらいやすい家族のための風邪をひきにくい家族の作り方
子供の風邪に大人が移るとひどい症状に苦しむことがよく言われています。
なのに、子供は大人が苦しんでいるのをわき目にどんどん回復していきます。
この差には、回復力と体力と成長力の違いがあります。
その反面、子供が風邪をひいて帰ってくると、家族内で感染のし合いが始まる家族があったりします。
これは、単なる家族の常識が風邪をひきやすい状況を作っているのであって、何も子供が悪いのではありません。
風邪の引きやすい子供は親が作っていることが多々あります。
そして、その原因に気づけないでいると、家族全員風邪に弱い一家となってしまいます。
どうせなら、子供だけでなく親も風邪に強い身体を作っておいた方が良いと思い、風邪をひきにくい家族の作り方をご案内しています。
興味があれば最後までお読みください。
1.子供の風邪に感染し3か月前から治らない男性
3か月前に子供が保育園から風邪を持ち帰り、うつってしまったという30代の男性。
その後、何度も治りかけるが、家族内で代わる代わる発症し、なかなか完治できない。
仕事の飲み会が続いていることもあり、全身がだるくて仕方ないということでキュアハウスに来院。
手足は、力がなくフニャフニャ。
背中は、鉄板のようにガチガチ。
脈からは、陰虚陽実(内臓の力は弱っているが、体力気力が充実している状態)で、本来は、休まなければならないが、気力を振り絞って頑張っている感じがわかる。
そのため、体内に入った風邪が、汗となって出てこれない。
これは、身体の表面が充実しすぎて、新たな感染は防げているが、体内の感染菌を除去できない状態を表している。
本人も、どんなに動いても最近汗が出ないのを気にしている。
身体からも、陽側である背中(お腹側は陰側(陰と陽のバランス関係)と診ます)がパンパンで、最も内臓の情報が現れる手足に力がない。
というところからも、陰虚陽実証として治療を行う。
ちなみに、陰虚陽実証とは、治す力が弱くなっているが、行動しなければならない状態を表しています。
要するに、行動し疲れがたまる半面、治す力がないので、治りにくい状態であることを判断できるのです。
背部の硬結及び三焦経(体内の気血バランスを整えるもの)に鍼を行う。
これだけで、ほぼ背中も柔らかく、脈も正常になる。
さらに、もう少し風邪を追い出す体内のパワーを作るために、仰向けで、お腹と手足にお灸を行い終了とする。
「本当に楽になったあ。」と眠そうな目でほほ笑んでいた。
「何年も風邪薬を飲まずに済んでいたのに、今回ばかりはどうにもならなかった。
本当に、元気な子供がもらってきた風邪のパワーに圧倒された。」
と言っていた。
2.子供の風邪と大人の風邪の違い
本来であれば、風邪が体内に入ると、発熱し、発汗することで風邪を追い出し、治るもの。
子供の頃は、すぐに高熱を出すが、大人になるとなかなか体温が上がらない。
高熱が出るということは、それだけ治すパワーが充実しているということ。
逆に、年齢を重ねれば重ねるほど、治すパワーがなくなっていることで、高熱が出せない状態になっていると言えます。
従って、疲れている時や気を抜いた時には、簡単に風邪をひいてしまうのです。
子供が風邪をひき、高熱を出しても治らない風邪は、それだけ風邪自体のパワーが強いとも言えます。
または、子供が疲れ切っていたり、体力がなかったりしているのかもしれません。
子供が風邪をひいたら、周りの大人の方が、うつされないように気をつけることと、なるべく疲れないような工夫が必要。
でも、実際は知っていてもうまくこなせないのが実情です。
であれば、風邪をひきにくい家族の作り方をお伝えしておいた方が良いと思いますので、興味があればこの先を読み進めてみてください。
3.風邪をひきにくい家族の作り方
風邪をひくパターンには、
1)身体を冷やす
2)汗をかきすぎる
3)食べ過ぎ飲みすぎ
4)疲れがたまる
5)環境変化への弱さ
この辺りが定番パターンになります。
そこで、それぞれ『なぜ風邪をひくのか?』『どうすれば風邪をひかなくなるのか?』『どうすれば早期に治るのか?』ということについて、お話していくことにします。
1)身体を冷やす
冷えは万病の元と言いますが、冷やすと何が良くないかというと、
『身体を冷やすと内臓が冷え死亡する確率が上がるから』
だからこそ、冷えてきた身体に対して高熱を出して、危機的状況を打破するように防衛本能が働いているわけです。
なのに、病院で解熱剤をもらってしまう。
自然治癒力が働いているのに無視して抗生物質を使ってしまう。
こうやって風邪をひくごとに身体が弱くなってしまうのです。
そういうことを繰り返していても強い身体は手に入りません。
また、外が寒いからと重ね着をさせたり、腹巻やカイロを子供に使わせたりする親がいます。
これは、冷え性対策ではなく『冷え性を作りあげる方法』であって、『寒いから道具を使って温めてあげる方法』でしかないのです。
そうやって知らず知らずのうちに子供を弱くさせていたりするのです。
冷え性対策であれば冷え症が治らなければおかしいですよね。
なぜか冷え症の人はみんな常識のように行っている方法が、一般的に言われている【冷え症対策】と言われているものであって、誰も冷え症が治っていないのです。
このような変化のない方法ではなく積極的に冷え対策を行うには、内臓を冷やさない工夫が必要です。
身体を温める方法はたった一つです。
【筋肉を動かし血流を促進させること】
これ以外の方法は自力での温めではありません。
そういうことから、適度な運動が風邪に強い身体を作りあげる秘訣だったりします。
2)汗をかきすぎる
運動が良いと知ると、とことん運動してしまう人がいます。
汗は新陳代謝を高めた証拠と信じている人がいます。
汗をかくことで達成感を感じる人がいます。
そのような親には、同じ感性を持った子供が育つものです。
ところが、
【汗は栄養素も出してしまう】
という重要なことを忘れてはいけません。
栄養の摂取量が少なかったり、栄養を吸収させる時間である睡眠時間が少なかったりすれば、各細胞の栄養が足りない状態になります。
●いくら大食いでも
●いくら身体に良い食材をとっても
●いくらサプリメントで補充しても
睡眠時間が少なかったり、睡眠の質が悪ければ栄養吸収はほんの少ししかできません。
なのに、むやみやたらと汗をかいてしまうと、体内の栄養素が足りなくなり病気になりやすくなります。
これも風邪をひきやすい典型パターンです。
予防策としては、汗をかき続けるような行動は『あなたにとってはやりすぎ』という証明になりますので、汗をかき始める前の段階でその行動を抑える工夫が必要です。
ただし、あとでも話しますが、疲れがたまった身体では、汗を止めたくても止めれない状態に陥ることがよく起こります。
すると、常に皮膚に汗があり、身体を冷やす要素が働いてしまい風邪をひきやすくなります。
この場合には、あとで話す疲れない工夫が必要になります。
3)食べ過ぎ飲みすぎ
食べ過ぎ飲みすぎには、消化吸収の時間である睡眠時間と運動による消費時間が必要になります。
けれど、睡眠時間と運動時間が少ないにもかかわらず食べ過ぎ飲みすぎが続くことがあります。
このような状態では、内臓が疲れ果ててしまいます。
食べているはずが栄養素が吸収されていないので、あらゆる器官が活動できなくなります。
活動できない身体はやがて冷えてきますので、風邪は引きやすくなります。
基本的には親の運動量が子供の運動量にも反映されますので、運動しない親には運動しない子供が育つものです。
そして、食卓は同じテーブルで行いますので、運動しないのに食事量の多い一家であればみんなが同じ体質になっていきます。
その結果、誰かが風邪をひくと、永遠と家族内で感染が続くことになるのです。
そうならないようにするには、
●食事量に見合った睡眠時間と運動時間を確保する
●睡眠時間と運動時間に見合った食事量にする
これ以外に方法がなかったりします。
4)疲れがたまる
疲れがたまるということは疲れる要素に対して何もしてきていない証明になります。
そもそも、疲れとは、
『その作業を行うのに必要な身体の準備ができていませんよ』
という身体の表現なのです。
なのに、多くは、何度も続けていればやがて慣れてくるものと思い込んでいます。
確かにそのようなことが起こることもあります。
けれど、多くは成長期に限った話であって、大人になったら、積極的に準備をしていかなければ、やればやるほど疲れがたまってしまうものなのです。
そして、そのような認識を持った親に育てられた子供は疲れたままの過ごし方を身に着けてしまい、疲れ切った家族の出来上がりになってしまうのです。
そうならないようにするためには、疲れを感じている場所の筋力調整が必要になります。
●固ければ柔軟性を高める
●フニャフニャであれば筋トレを行う
●動かす機会の少ない部位であれば筋肉を十分に伸び縮みさせる
これらを日々行う癖がつけば徐々に疲れを感じない身体を作りあげることができます。
疲れがなくなれば風邪もひきにくくなりますので、風邪に強い家族を作りあげてみてください。
5)環境変化への弱さ
環境変化に関しては、特に、気温と湿度の変化に弱い人が風邪をひきやすいケースが多いものです。
一方、人や住居、仕事の変化などは、どちらかというとストレス系の疾患を発症しやすいものです。
気温の変化というのは、暑いか寒いかの違いです。
湿度の変化は、晴れている日と雨の日の違いです。
この状況を作り出しているのは、
●お風呂
●空調
●食事
になります。
お風呂は、温める場所としては最適なのですが、汗をかくところでもあります。
そのため、温まった分、栄養が汗によって奪われ乾燥してしまうというデメリットがあります。
空調も外気温に合わせて温めることも冷やすことも可能になり、自力で変化させることよりもお風呂同様強制的に、温度を変えられてしまうデメリットがあります。
食事に関しては、工夫次第ではいかようにも変えれるのですが、人には食欲という好みの傾向が含まれてしまいます。
そのため、好み通りの体質を作ってしまうという問題があります。
そして、変化に弱いということは、偏食である証明になるのです。
そういうことからも、以下のことを意識して、変化できる身体を作っていく必要があるのです。
●温冷浴
●普段温かいものばかり食べている場合には冷やすものを取ってみる
●普段冷たいものばかり食べているのであれば温かいものを取ってみる
●普段利尿作用の高いものを取っているのであれば生きた水分(野菜や果物に含まれる水分)を取ってみる
●普段刺激の強いものを飲食していればあっさりしたものを摂取してみる
●空調の温度に身体が慣れてきたら外出し外気温に慣れてみる
●身体を動かす機会が少なく冷えていれば、身体を動かし身体を温めてみる
このようなことを行えば徐々に環境変化に強い身体が出来上がっていきます。
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。