老化をすると攻撃的になる原因と改善方法
老化をすると攻撃的になる親族に困っていたりしませんか?
攻撃と言っても、暴れる人もいれば口が悪くなる人もいます。
でも、殆どは同じ原因で起きていることがほとんどです。
ここでは、攻撃的になってしまった性格の原因と改善方法について解説していきます。
まずは、こちらの方の悩みからご覧ください。
━━━━━━━ 頂いた質問 ━━━━━━━
母(72才)が、老いに対する不安からか数年前からジムに通い始めました。
職場も変わり、かなりハードに歩く仕事のようです。
私は、母と一緒に暮らしていないのですが、最近、母が攻撃的な性格になったような気がしてなりません。
(母の被害妄想から)自分の正当性を貫こうとして周りを攻撃してしまうようです。
まぁ、母のもともとの性格として以前から多少あったのですが、最近ひどく顕著になった気がするのです。
よくお歳を召された方に多く見られる現象なので、
「母も歳をとった証拠なのかなぁ~」
と思ったりしてますが、先生の医学的見解をお聞きしたいと思いました。
━━━━━━━ ここまで ━━━━━━━
非常に面白い問題ですよね。
どう面白いかというと、若返りと老化が同時進行しているからです。
1.2つの攻撃的な精神状態を作る原因
では、どのように攻撃的な性格を作り上げてしまっているのかと言う前に、中医学の基礎として、五行思想というものがあります。
そして、この五行理論を理解すると、よりわかりやすくなるのです。
ということから、五行の一部をくり抜いてみようと思います。
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五志 | 怒 | 喜 | 思 | 悲 | 恐 |
ここで、重要なのは以下の2つです。
肝=怒
腎=恐
そして、質問内容から
> 母(72才)が、老いに対する不安からか数年前からジムに通い始めました。
筋力アップで若返りを図っています。
ところが、
> 職場も変わり、かなりハードに歩く仕事のようです。
仕事で使う筋力をあげようとジムに通っていたのだと思われますが、どのような運動をしていたのかは不明です。
普通に考えて、急に動きすぎているので疲れますよね?
> (母の被害妄想から)自分の正当性を貫こうとして周りを攻撃してしまうようです。
被害妄想というのは、腎の弱さを表します。
腎は恐れですので、何かを恐れているという状況が垣間見えます。
> 母のもともとの性格として以前から多少あったのですが、最近ひどく顕著になった気がするのです。
これは、そもそも下半身の筋力不足があったということでもあるかもしれません。
> よくお歳を召された方に多く見られる現象
これは、なぜかというと、高齢化したことにより、下半身の筋力が落ちたからなんです。
逆に、若くても下半身の筋力不足で、被害妄想があったり、恐れから攻撃的な行動を取ってしまったりしている人たちもいますよね?
いきなり言われてもわからないかもしれませんが、徐々に分かるようになってきますので、少しずつ読み進めてくださいね。
2.怒りと恐怖と肝と腎と下半身の筋力の整理
さて、ここで整理しておきましょう。
五志ということで感情と五臓の関連を先に話しましたが、実は、もう一つ、
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五主 | 筋肉 | 血脈 | 肌肉 | 皮膚 | 骨 |
こういう流れもあります。
肝=筋肉
腎=骨
そして、もう一つ、
腎は、下半身を表すとも言われています。
さらに、
腎は、『親から授かった元気を蓄えておく場所』とも言われています。
これは、すべて中医学の基礎理論ですので、なぜ、そのような組み合わせやつながりになったのかを知りたくなったら、中医学を学んでみると、もっと面白いつながりが見えるようになります。
もうすでに、この段階で、「おお、そういうことかあ!!」と気づけていたら、もうあなたは地域No.1の治療家になれてしまいますよ。(笑)
と言うのは冗談ですが、大事なところですので、ついてきてくださいね。
まず、下半身の中心は、筋肉と骨ですよね。
要するに、筋肉を表す肝と骨を表す腎の力が併せ持った場所といえるのです。
もちろん、腕もそう見ることはできるのですが、腕と足のどちらが体を支え、どちらが豊かな状態かを理解すれば、おそらく、99%以上の人が、脚のほうがたくましいと思われると思います。
だから、強く肝と腎を表すのは腕ではなく脚といえるわけです。
もう一つ大事なことは、
肝と腎は兄弟分
ということ。
肝が悪くなれば腎も悪くなる
腎が悪くなれば肝も悪くなる
という連動した臓器の関係なのです。
さて、老化というのはどういうことかというと、寿命が近づいた状態といえます。
若返りというのはどういうことかというと、寿命が伸びたという状態といえます。
先に話しましたが、腎は親から授かった元気を蓄えている場所です。
元気がなくなった状態が死とすると、
元気が少なくなった状態が老化
元気が増えた状態が若返り
といえるのです。
下半身を使う仕事につき、疲労が起きたということは、腎が低下したことを表します。
ここでの疲労は下半身の筋肉の疲労が大半を締めます。
歩く仕事なので、下半身が疲れるのは当たり前ですよね。
ここで、五行の発動です。
下半身の疲労は、肝と腎の低下を表します。
これが、肝の感情である怒りを表し、腎の感情である恐れから被害妄想が出ている。
このように考えられるわけです。
ただし、元々被害妄想的な性格を持っていたということからは、そもそも腎気不足を表している可能性があるわけです。
要するに、下半身の弱さが昔からあったということ。
そこで、ジム通いを始め、下半身強化を行い始め、歩く仕事の疲労克服を考えているのであれば、非常にいいことですが、
ジムで筋肉を鍛えた。
その筋肉を有効利用できるような柔軟性を上げるようなことはしなかった。
この様な状況であれば、さらに下半身をいじめていることになりますので、疲労回復どころか、疲労増幅に拍車をかけていることになります。
すると、怒りはより強くなり、攻撃性は高まってしまうのです。
3.攻撃的な性格を改善する方法
さて、ここまでの内容で、下半身の状態が感情面に働きかけているということはなんとなく理解できたかと思います。
でも、、、
筋肉と聞くと、やたらめったら筋トレをしようとする人がいます。
筋肉が固くなったら、『筋肉がついた』と思ってしまう人がいます。
ここは、十分に注意しましょう。
筋肉というのは、
力を入れたら鋼のような固さ
力を抜いたらマシュマロのような柔らかさ
これが、もっとも重要な原則です。
そして、
筋肉が伸びれば伸びるほど、
そこから加速度的に縮むことができると、
それが『筋力がある』
という状態を表すのです。
もう一つ、
筋肉は太ければ太いほど血流の邪魔になり
太い筋肉が動けば血液の流れは良好になる
従って、
太い筋肉は、動かせば温まり
動かさなければ冷えてしまう
ということになるのです。
だからこそ、日常の行動に見合った筋肉量にしておかないと、返って不都合な状態になってしまうということが言えるのです。
健康には筋肉が必要。
運動不足解消には、ガチガチの筋肉を鍛えるのが一番。
という感覚を持っていると、いつもイライラして怖がられる存在になるだけなのです。
そして、最も大事なこと。
筋肉は何歳でも鍛えられる
ということです。
要するに
老化というのは、筋肉の手入れをしなくなったから
筋肉の手入れをしていけば、今からでも若返りは十分可能
ということになるわけです。
ただ、硬い筋肉をつけてしまうと、
死期を早める危険性が増えるだけですので、十分に注意が必要です。
そこで、まずは、次のチェックを行っていきましょう。
- ジムでどのような運動をされているのか?
- ジムで動く前と動いた直後と翌朝の筋肉の動きに差があるかどうか?
- 普段疲れを感じる場所と動きはどのようなものか?
上記のチェック項目が出てきたら、次は改善策です。
- ジムで運動している動きをもっとスローペースにできるだけ大きく動かす習慣を持つ
- ジムで動いた後は身体が軽く動きがいいけれど翌朝に固くなっているようであれば、運動がやりすぎていますので、もう少し抑えるか、その日のうちに疲労回復できるような努力が必要になります。
- ジムで動いた直後は疲れ切っているのであれば、完全にやりすぎです。ペース配分を考え、少し身体が楽という状態を目安に運動量の調節を行いましょう。
- ジムの運動直後にお腹が空かないのであれば、あまり意味のない運動になっていますので、運動種目を変えて、お腹が空くようなメニューに変えていきましょう。
- ジムの運動直後は非常に身体が軽く、睡眠もよく取れるようになり、目覚めも気持ちいいという場合であれば、適度な運動を行えているので、できれば睡眠が取りにくくなる前に運動日を設けるような設定にすると良いでしょう。
- 普段動きの中で『面倒に思うこと』『疲れが出て続けられなくなっていること』などが、筋力低下の場所を表しています。その動作が普通にできるようにする運動メニューを作ってあげることが重要です。できればジムのインストラクターにそのことを伝えて作ってもらってください。
- いつも疲れや痛みを感じる場所が特定できているのであれば、そこの筋肉の状態を確認しましょう。硬ければ緩め、むくんでいれば冷やすか温めて、流れを作ってみましょう。むくみが流れたあとに出てきた筋肉の状態が、硬ければ弱さを表します。鍛える必要があります。固くなく動きが良くなれば、しばらくそのまま様子を見ましょう。
疲れや固さが出るような運動は、より攻撃性が高まる運動です。
スッキリ爽やか、軽やかに動けるような運動は、精神状態が非常に良い状態になります。
今行っている仕事や運動が、どちらに向かっているのかの観察が必要ですね。
参考になれば幸いです。
キュアハウス鍼灸治療院 院長。
病院に通うたびに、薬だけが増え、検査をしても『原因不明』と言われる痛みや症状を、ただ取り除くような治療ではなく、生活習慣を見直し、患者さん自身が自力で治すための手段を手に入れ、2度と同じような目に合わないような身体と習慣を身に着けられる治療と情報を提供。
これまで、20年以上に渡り、数々の治療院で経験を積み、施術の実績は80,000人以上。口コミが口コミを呼び、2016年のリピート率は98.7%。